米半導体株安と中東情勢懸念で日経平均が大幅続落
米半導体安と中東不安
19日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落し、前日比2134円31銭(3.16%)安の6万5326円42銭で取引を終えた。下げ幅は一時2300円を超えた。18日の米半導体株安を受け、ソフトバンクグループやアドバンテストなどのAI・半導体関連が売られ、指数を押し下げた。中東情勢の先行き不透明感に加え、長引く物価高が個人消費を冷やすとの警戒も広がった。
世界金利上昇と原油高
連日の大幅安の背景には、世界的な金利上昇への懸念もある。18日の米株式市場では、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5%近く下落した。東京市場でも東京エレクトロンやキオクシアホールディングスなどのAI・半導体関連が総崩れとなり、日経平均は節目の6万6000円を割り込んだ。18日と19日の2日間では、下げ幅が4000円近くに達した。
米国とイランの緊張が和らぐ兆しはみえない。イランのガリバフ国会議長は18日、「米国が約束を履行するまでホルムズ海峡は再開放されない」と述べた。トランプ米大統領も同日、自身のSNSに「イランとの間で進行中、または予定される協議や対話は一切ない」と投稿し、6月に結んだ停戦合意は事実上崩れた。7月には一時1バレル70ドル台を下回っていた米原油先物相場は、85ドル台で高止まりが続いている。
消費悪化の懸念広がる
世界的な金利上昇の一因には、米国の財政悪化懸念がある。ロイター通信とイプソスが17日に公表した世論調査では、トランプ氏の支持率は33%と、第2次政権の最低を更新した。ベネズエラへの軍事攻撃を「成功体験」に、米国はイランにも強硬姿勢をとったが、戦闘の長期化が支持率の重荷になっている。
楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、11月の中間選挙に向けてトランプ氏が支持率を回復させるため、大規模な景気刺激策を打つとの観測が金利上昇圧力につながっていると指摘する。金利の上昇傾向が続けば、PER(株価収益率)が高いAI・半導体銘柄の割高感が意識され、日本株には逆風になりやすいという。
原油高の長期化が日本の個人消費を冷やし、株式市場の重荷になるとの見方もある。内閣府が17日に発表した2026年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値では、個人消費が8四半期ぶりにマイナスとなった。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、7〜9月期には企業間で取引される原油関連財の価格上昇が消費財に本格的に波及し、「個人消費は一段と悪化する」とみる。
物価高による消費の弱含みを映し、19日は東証の業種別株価指数「小売業」が6日続落した。小売りの代表銘柄であるファーストリテイリングは7日続落し、一時7万4260円と5月22日以来およそ3カ月ぶりの安値を付けた。7月8日に付けた株式分割考慮ベースの上場来高値、8万8690円からは1割強下げた。
木内氏は、ホルムズ海峡と同海峡に代わる原油などの調達ルートであるバベルマンデブ海峡の二重封鎖が数カ月から半年以上続くとの前提で、米原油先物相場の水準ごとに日本経済への影響を試算した。2026年平均で1バレル90ドルなら実質GDPは0.17%押し下げられ、平均100ドルなら0.26%下押しされると推計した。木内氏は、原油先物相場が高止まりすれば「日本経済には相応の打撃だ」と指摘した。
日経平均がここから再び戻りを試すには、なお多くのリスク要因を消化する必要がある。
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