空港の入国審査強化へ、入管庁が中位級の増枠求める
中位級の枠を拡大
国家公務員の行政職俸給表(一)は1〜10級で構成し、数字が上がるほど職務の責任は重くなる。入管庁は、人事院に対し管理職に近い5〜6級の定員枠を増やすよう求める。責任の重い業務を担う職員を昇格しやすくする狙いだ。
処遇差が定着を左右
入管庁の職員全体に占める5〜6級の割合は8%で、地方勤務に限ると7%にとどまる。定員枠が足りず、5級相当の職務を担っていても4級にとどまるケースがあるという。4級1号俸と5級1号俸の月額基本給の差は約2万3000円、5級1号俸と6級1号俸の差は3万円超となる。昇格の見通しが立ちにくければ、現場の納得感を得にくい。
審査体制の維持急ぐ
訪日客の増加で、空港で入国を許可するか判断する入国審査官の負担は重くなっている。待遇を改善し、経験を積んだ職員の定着を図ることで、在留資格を迅速かつ厳しく審査できる体制を整える。昇格の見通しが乏しいことを背景に、民間企業や他省庁へ移る動きも出ており、流出が続けば審査体制の維持に支障が出かねない。
他省庁との格差意識
入管庁は、地方勤務の職員に占める5〜6級の割合を20%近くまで引き上げる計画だ。8月下旬から、入管業務の重要性を人事院に説明する。空港では入管庁職員に加え、財務省所管の税関職員や厚生労働省所管の検疫職員が働く。このうち税関職員は全体の30.5%が5〜6級で、7級以上を含めた5級以上では33.4%に達する。入管職員の9.6%を上回る。
政府も定員増で後押し
同じ空港内で利用者対応や審査を担いながら処遇に差があれば、士気の低下につながりかねない。入管庁は、職務の困難度に比べて中位級の定数が著しく不足し、現場職員のモチベーションに悪影響を及ぼしているおそれがあるとみている。政府は審査体制の拡充を急ぎ、7月には入管庁職員の定員を増やす政令改正を閣議決定し、入国審査官を176人増やした。米国ではトランプ政権下の制度見直しで空港や国境管理の現場が混乱した経緯があり、審査や保安の人員不足は待ち時間の増加や現場負担の拡大につながりやすい。
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