中東リスク拡大に備え、政府が原油輸送支援の新法検討
中東情勢の悪化を受け、政府は危険地域での原油輸送を維持するため、秋の臨時国会への新たな法案提出を検討する。タンカー運航会社が利用する船舶保険で再保険契約を結べない場合、政府が保険金を肩代わりする制度を設ける。
再保険が結べない場合に備える
海運各社は、事故や戦災による損失や賠償責任に備えて損害保険会社の保険に加入する。損保1社で保険金を払いきれない高リスク案件では、別の保険会社に再保険を引き受けてもらうことがある。
新法では、国内損保が海外の保険会社と再保険契約を結べない場合に政府と契約し、政府が保険金を用意する仕組みを想定する。損保各社は政府に納付金を払い、必要時には政府の交付金を保険金の支払いに充てる。原油タンカーの運航維持が狙いだ。
中東地域で高まるリスクをどう補うかは喫緊の課題となっている。米国では政府系金融機関の米国際開発金融公社が、200億ドル(約3兆2000億円)規模の再保険制度を設け、滞る海上輸送の改善を図っている。
国内の損害保険大手は3月、中東情勢の緊迫を踏まえて対応を見直した。戦争による船舶被害を補償する「船舶戦争保険」では、通過時に保険料を上乗せする「除外水域」の範囲を広げた。
引き受け状況に大きな変化はないが、海運業者の保険料負担は増している可能性がある。海外の再保険会社が中東地域での国内損保との契約を断る事例は、今のところないという。
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