AI3社で26年末の国内時価総額首位予想分かれる
最新の人工知能(AI)は、どこまで先を読めるのか。米主要3社のAIに2026年末時点の国内時価総額首位企業を尋ねたところ、米オープンAIの「チャットGPT」はソフトバンクグループ(SBG)を挙げた。政治やエンタメも含め、26年末に答え合わせする。
AIの予測精度を検証
日本経済新聞は7月末、チャットGPT、米グーグルの「Gemini(ジェミニ)」、米アンソロピックの「クロード」の主要モデルに、ブラウザー版で10の質問を投げた。質問文だけを入力し、参照先や判断基準は各AIに委ねた。
首位企業は3者3様
12月1日の終値時点で国内の時価総額が最も大きい企業を予想させると、ジェミニは三菱UFJフィナンシャル・グループ、クロードはトヨタ自動車を選んだ。チャットGPTのSBGを含め、3つのAIで見方は割れた。
チャットGPTは「AIインフラ投資の拡大」を、ジェミニは「日銀の追加利上げ」を、クロードは「円安基調が続けば為替差益が業績を下支えする」とそれぞれ根拠に挙げた。SBGはオープンAIに累計646億ドル(約10兆円)を出資する予定だ。
株価と受賞者も予測
日本株や米株、対ドルの円相場についても、3モデルの答えは一致しなかった。チャットGPTは日経平均株価が反発し、12月には7万円を超えると予想した。日本企業の利益が高水準にあることに加え、円安が輸出企業の追い風になると説明した。一方、クロードは6万3000円と、7月末の6万4362円を下回る水準を見込んだ。AIバブルへの懸念が強まることや、予想PER(株価収益率)の高さを下振れ要因に挙げた。円相場は3つのAIとも、1ドル=155〜158円の範囲を示した。
例年10月に発表されるノーベル賞の受賞者を3人まで予想させると、チャットGPTとクロードはいずれも米マサチューセッツ工科大学のピーター・ショア氏を物理学賞候補に挙げた。量子コンピューターのアルゴリズムを提唱した人物で、チャットGPTは「近年の物理学賞は量子科学を重視する流れ」と過去の傾向を理由にした。
日本人受賞予想と誤答
日本人の受賞候補では、ジェミニが元国立循環器病研究センター理事の寒川賢治氏に生理学・医学賞が贈られると予想した。ノーベル賞の登竜門とされる「クラリベイト引用栄誉賞」を25年9月に受けたことを根拠に挙げた。
3モデルの答えが一致したのは、米大リーグの最優秀選手(MVP)だった。ドジャースの大谷翔平選手が5度目の選出を果たすと予測した。チャットGPTとクロードが大谷選手を確実視する一方、ジェミニはカブスのピート・クロウ・アームストロング外野手を最大のライバルとみた。
一方で、単純な誤りもあった。26年の紅白歌合戦で初出場となる歌手やグループを尋ねると、チャットGPTとジェミニは25年に出場済みの「HANA」や「M!LK」を挙げた。AIに既出と伝え、別のグループを答えさせた。
質問の前提や表現のわずかな違いで、AIの答えや精度は変わる。政治や経済の質問では、各AIが「確率的な予測」「不確実性が高い」と答え、自らの回答をうのみにしないよう促した。短い質問にも、根拠や変動要因、関連情報を幅広く示す点は共通していた。現時点で正解が分からない将来予測では、人間にとって有力な補助役になりそうだ。
調査の概要
チャットGPTは7月31日時点の無料版、ジェミニは「Gemini 3.5 Flash」、クロードは「Claude Sonnet 5」のブラウザー版を使用した。推論モードなどは初期設定のまま、10の質問文を入力した。12月に予測と実際の結果を比較した記事を掲載する予定だ。
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