円急騰で東京株反落、輸出株安とAI相場の一服鮮明に
日経平均、円高警戒で反落
3日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、終値は前週末比607円12銭(0.94%)安の6万3754円90銭だった。7月31日に日米両政府が協調介入に踏み出したことで、為替の円高・ドル安進行を警戒した売りが広がり、AI・半導体株の戻りもいったん止まった。
円急騰で輸出株安
週明け8月3日の東京外国為替市場では円相場が急伸し、対ドルで一時1ドル=155円台前半と、5月上旬以来の円高・ドル安水準を付けた。日経平均も寄り付き直後は前週末比500円ほど安い水準だったが、円高進行を受けて下げ幅を1600円超に広げる場面があった。
調整売りと業績見直し
日米の円買い協調介入は1998年の金融危機時以来28年ぶりで、SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は異例の事態とみる。為替の急変は株式市場への影響が大きく、新たなテーマとして意識されているという。
この日は自動車株を中心に、為替の影響を受けやすい銘柄へ売りが広がった。トヨタ自動車は一時6%安、ホンダは同5%安となり、業種別日経平均の自動車は4%安だった。三井住友信託銀行の瀬良礼子上席理事は、円安修正をきっかけに瞬間的なポジション調整が起きていると指摘する。
りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは、為替が1円円高に振れると企業業績を0.7%程度押し下げると説明する。不意打ちの協調介入で、投資家は企業収益見通しの再点検を迫られた。
ファナック急落が重荷
調達や供給不足への懸念も再燃した。この日の投資家心理を冷やしたもう一つの材料はファナック株の急落だった。一時19%安まで売られ、4カ月ぶりの安値を付けた。
7月31日に2027年3月期の連結純利益予想を前期比19%増へ上方修正し、従来予想の11%増から引き上げたものの、4〜6月期の実績は市場期待に届かなかった。AI関連の設備投資需要は強く受注は積み上がる一方、部品調達の難しさなどで売上高の伸びは物足りないとの見方が出ている。
岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストは、電機・電子関連の部材不足が生産の制約になっており、想定ほどAI需要を取り込めない懸念が浮上していると話す。
買いも散見
一方で、悲観一色ではなかった。前週末に好決算を発表したキオクシアホールディングスは大幅高となり、AI・半導体株の一角には買いが入った。神戸物産やニトリホールディングスなど円高の恩恵を受けやすい銘柄も上昇し、東京プライム市場では約3割の銘柄が値上がりした。
ただ、円相場が1ドル=155円台前後で推移し続ければ、輸出関連株を中心に株価の下落リスクがあると瀬良氏はみる。当面は為替動向をにらんだ神経質な相場が続く可能性がある。
武居氏は、決算を手がかりに業績の安心感がある非ハイテク株へ資金が移り、相場全体では上値の重い展開もあり得るとみている。
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