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台湾経済、AI特需で高成長 業種間の格差は一段と拡大

台湾、AI需要で高成長続く 一方で業種間の格差拡大

台湾経済は人工知能(AI)需要を追い風に好況が続いている。行政院(内閣)主計総処が7月31日に発表した4〜6月期の域内総生産(GDP)は前年同期比12.92%増となり、高度成長期を思わせる伸びを維持した。ただ、恩恵はハイテク産業に偏り、業種ごとの景況感の差が広がるK字型の様相が鮮明になっている。

TSMC周辺の住宅市場に波及

台湾積体電路製造(TSMC)の本社や関連企業が集積する新竹サイエンスパークから車で15分ほどの竹北市では、再開発の進展を背景に高級マンションの供給が進む。1室1億5000万〜2億円の物件が2031年に竣工する予定で、5月の分譲開始後、すでに100戸超が成約した。

国泰建設などの調査によると、26年4〜6月の竹北市の新築単価は1坪あたり前年同期比2割上昇した。成約量も、低水準だった前年の反動で約9倍に膨らんでいる。

買い手は高給のエンジニアに限らない。株高で資産を増やした投資家の需要も強い。6月に新竹で開かれたTSMCの株主総会では、住宅ローンの頭金を回収できるほどの利益を得たと話す男性株主もいた。台湾加権指数は24年末から約89%上昇している。

輸出はハイテク偏重

台湾の株高と経済成長をけん引しているのは、AI向け需要の拡大で伸びる半導体やサーバーなどのハイテク産業だ。GDPの押し上げ役である輸出にも、その偏りが表れている。

財政部(財政省)の貿易統計では、26年1〜6月の輸出額は前年同期比47.1%増の4166億ドル(約65兆6000億円)だった。内訳では、サーバーなどを含む「情報通信機器」と、半導体などを含む「電子部品」が合計78.7%を占める。前年同期比で約8ポイント、10年前との比較では約36ポイント高い。

一方で、AI特需の恩恵を受けにくい産業では収益環境が厳しい。原材料高に加え、好調な業種へ人材が流れ、人件費も上昇して利益を圧迫している。

中華経済研究院などがまとめた26年上半期の購買担当者景気指数(PMI)では、食品・紡織や輸送用機器などで、調達コストの上昇を販売価格に十分転嫁できていない実態が示された。副研究員の陳馨蕙氏は、コスト上昇は続いているものの、価格転嫁の勢いは上半期ほどではないと指摘し、業種間の差が拡大していると分析する。

政府も格差是正を模索

サービス業でもコスト高の吸収は難しい。台北市内で飲食店を営む男性は、高級店は好調でも、客単価が1万円に届かない店の経営は厳しいと話す。人手不足と人件費の上昇で、収益が思うように伸びないという。

こうした不均衡への警戒感は強まっている。立法院は7月30日、K字型経済をテーマに公聴会を開いた。全国商業総会の王権宏氏は、AI需要を背景にした台湾の成長は数千社のサプライチェーンに支えられていると述べ、恩恵を受けにくい産業も切り捨てるべきではないと訴えた。

頼清徳(ライ・チンドォー)政権は、中小・中堅企業への支援としてAI活用の後押しや賃上げ促進策を整えている。成長の果実をどこまで広く分配できるかが、今後の焦点となる。

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