米代替関税が24日に失効へ、日本向け新税率は12.5%案
代替措置が期限切れ
米連邦最高裁が無効と判断したトランプ関税に代わる10%の代替関税が、24日に失効する。失効時刻は日本時間で24日午後1時1分。トランプ政権は通商法301条に基づく新たな関税へ移行する方針で、日本からの輸出にかかる負担は現在より重くなる可能性がある。
301条に基づく新税率案
トランプ氏は2025年4月、ほぼ全世界を対象に10%の相互関税を導入し、その後8月には国別税率を決めた。日本は長い交渉の末、対米投資を約束し、税率は欧州連合(EU)などと同じ15%となった。ところが今年2月、最高裁が大統領権限の逸脱を理由に関税を無効と判断した。
無効となった関税総額は1660億ドル(26.9兆円)に達し、還付手続きが進む。米税関・国境取締局(CBP)によると、10日時点で1217億ドル超の還付申請を受理し、863億ドルはすでに返金処理段階にある。最高裁敗訴後、トランプ氏は150日間のつなぎとして各国・地域に10%の関税を課し、これが現在の代替関税となっている。
日本は12.5%の対象案
代替関税の失効後、政権は通商法301条に基づく関税を発動する構えだ。米通商代表部(USTR)は日本を含む60カ国・地域を対象に、10%または12.5%の追加関税案を示している。日本など46カ国・地域には12.5%が提示されており、最終決定もこの水準なら現在の10%から引き上げとなる。
焦点は、2025年夏の合意で基本関税とトランプ関税を合わせた税負担の上限を15%とした枠組みが維持されるかどうかだ。USTRのグリア代表は6月時点で「合意は合意だ」と述べ、順守する姿勢を示した。日本側も15%上限は維持されるとの見方を示している。
基本関税は導入前から品目ごとに設定されている。例えば基本関税が6.3%のプラスチック原料では、12.5%が上乗せされれば単純計算で18.8%になる。ただ、上限が守られれば負担は15%にとどまる。自動車や鉄鋼・アルミニウム、半導体関連の分野別関税対象品目、多くの食料品は新関税の対象外となる。
新関税にも訴訟リスク
通商法301条に基づく関税は、第1次政権時代から中国への制裁として使われてきた。バイデン前政権も301条を使い、中国製電気自動車(EV)の税率を100%に引き上げている。相互関税と異なり、政権による発動実績がある点でトランプ氏は法的安定性を重視しているとみられる。
それでも、新関税が発動されれば訴訟に発展する可能性は残る。7〜9日にUSTRが開いた公聴会では、米国内外の業界団体や外国政府の代表ら100人強が証言し、その8割弱が撤回や対象縮小を求めた。中南米の国々を中心に、完全免除を求める声も強い。
米企業からも反対意見が出ている。米鉄鋼メーカーは「ブラジル以外から調達できない製鋼原料があり、新関税でコストが跳ね上がる」と訴え、米コンクリートメーカーは「トルコやベトナムからセメントを輸入しており、住宅価格の高騰につながる」と指摘した。24日に失効する代替関税についても合法性を争う裁判が続いており、トランプ政権の関税政策を巡る混乱はなお収束していない。
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