取引先約5000社のニチレイ障害、食品納品に広がる影響
障害の概要
ニチレイで不正アクセスによるシステム障害が発生し、国内最大規模の冷凍・冷蔵物流に支障が出ている。外食企業や食品メーカー、小売店など取引先約5000社への影響が広がっており、復旧のめどは立っていない。
ニチレイは13日、システム障害が不正アクセスに起因すると発表した。冷蔵倉庫の入出庫業務や冷凍食品の出荷業務に影響が出ている。個人情報や顧客データの流出は確認されておらず、障害は国内に限られるとしている。
子会社のニチレイロジグループ本社は、他社製品を含む食品の保管と輸配送を担う低温物流サービスを展開する。全国約140カ所の物流拠点と約7000台の車両を運用し、生鮮品や日配品を小売店や飲食店に届けている。冷蔵倉庫の保管能力は国内最大規模という。
外食・小売へ波及
影響はすでに各方面に及び始めた。すかいらーくホールディングス(HD)傘下のフロジャポン(東京都武蔵野市)は14日、洋菓子・総菜店「フロプレステージュ」でケーキやタルトなど一部メニューを販売休止する可能性があると発表した。配送再開の見通しはまだ立っていない。
高齢者施設や企業向けに給食や弁当を提供するひでかつ給食(兵庫県姫路市)も、弁当メニューを変更する可能性があるとしている。ニチレイの冷凍倉庫を経由する冷凍食品の納品が滞っており、担当者は「コロッケなどの代替品を検討しているが、割高になるのではという不安がある」と話した。
小売店でも欠品が出ている。イオンでは一部店舗で冷凍商品などが欠品しており、対象商品や影響範囲を調べている。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が運営する「ドン・キホーテ」などの一部店舗でもニチレイの冷凍食品が欠品した。PPIHは原因を調査中としつつ、「在庫があるため、現時点で大きな影響はないとみている」と説明した。
食材調達にも支障
外食チェーンにも影響が出た。日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は14日、チキンなどの食材調達が難しくなっていると発表した。店舗では品切れやメニュー制限が生じる可能性があり、臨時休業や営業時間短縮の可能性もあるという。公式アプリによる注文や宅配、配達代行サービスは一時停止した。
くら寿司も15日、食材の調達が困難になっていると明らかにした。ニチレイにすしネタや冷凍食品の配送を委託しており、大阪府など関西の一部店舗で「ゆず塩かつおたたき」や「熟成ふぐ」などが欠品している。臨時休業や営業時間短縮は予定していないが、復旧の時期は見通せない。
夏場で需要が高まるアイスにも波及している。井村屋グループは、15日に予定していた取引先への冷凍食品の納品を見合わせた。全国の幅広い地域でアイスや冷凍菓子などの配送が難しくなっており、他の物流会社への切り替えも検討する。
冷凍食品大手のテーブルマークも、ニチレイに物流を委託する一部エリアで家庭用、業務用ともに冷凍食品を出荷できない状況だ。
代替先確保の動きも
物流を請け負う企業で障害が起きると、取引先への影響は広がりやすい。25年10月にサイバー攻撃を受けたアスクルでは、同社に物流を委託していた「無印良品」や生活雑貨のロフト(東京・渋谷)の通販サイトが一時停止した。
代替の保管先を探す動きも出てきた。冷凍・冷蔵倉庫を運営する不動産開発の霞ヶ関キャピタルには、メーカーなどの荷主や物流会社から代替保管先に関する相談が相次いでいる。同社は「冷凍冷蔵物流を止めないよう、可能な範囲で一時的な受け入れなど柔軟に対応する」としている。
ニチレイの障害が長引けば、メーカーや外食、小売を含む約5000社の物流にさらに影響が広がる可能性がある。
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