皇室典範改正案、女性皇族の残留と旧宮家男系男子復帰を柱に可決
衆院委で可決
皇族数確保に向けた皇室典範改正案が10日、衆院議院運営委員会で与党などの賛成多数により可決した。中道改革連合や国民民主党など一部野党も賛成に回った。
同日中に本会議で採決し、与党と一部野党の賛成多数で衆院を通過する見通しだ。改正案は参院審議に移る。
改正の二本柱
改正案は、女性皇族が結婚後も皇族にとどまることと、旧宮家の男系男子を養子として皇族に復帰させることの2本柱で構成する。衆参両院の正副議長が全13党派の全体会議でまとめた「立法府の総意」を受け、政府が取りまとめた。
衆参の正副議長案をめぐっては、中道が付帯決議の修正を求めていた。木原稔官房長官は議運委で、「今回の改正は皇位継承のあり方について立法府の将来の検討を先取りしたり縛ったりするものではない」と答弁した。
女性皇族と養子制度
現行の皇室典範12条は、女性皇族が天皇と皇族以外の男子と結婚した場合に皇籍を離れると定めている。改正案は12条を削除し、結婚後も皇族の身分を保てるようにする。一方、現時点の女性皇族については、結婚時に本人の意思で皇族の身分を離れられる経過措置を付則に盛り込んだ。結婚した女性皇族には、一般国民と同じく住民基本台帳法を適用する。
現行の9条は皇族の養子を禁じている。改正案はこの規定の例外として対応し、皇室典範第6章で「養子皇族男子」を設ける。対象は、1947年に皇籍離脱した旧11宮家の子孫で、妻や子がいない15歳以上の男系男子とした。
養子本人は皇位継承順位を定める2条の適用対象外とし、皇位継承権を持たない。ただ、養子に男児が生まれた場合は継承権を認める規定を設けた。2条の適用については「実方(養子本人の実家)の系統によるものとする」と明記した。
野党の対応と今後
国民民主党の玉木雄一郎代表は10日の議運委で、皇位継承について新たなルールを設けたのではないかとの懸念が議論を呼んでいると指摘した。これに対し木原氏は、養子の子孫について「現行の皇室典範に基づいて判断する」と答えた。
中道は付帯決議案に新たな項目を加えるよう求め、養子の男児の継承権について政府に「速やかな検討」を促し、必要に応じて措置を講じるよう求めていた。中道の小川代表は10日の記者会見で、議運委での答弁を受けて同趣旨の担保が取れたと判断したと説明し、党として賛成する考えを示した。「党派的対立に持ち込むことを避けたい。苦渋ではあるが賛成する」と述べた。
政府は6月30日の閣議で改正案を決定し、衆院に提出した。衆院議員定数削減法案の扱いなどをめぐる与野党対立に区切りがつき、「静謐な環境」が整ったとして審議に入っていた。
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