会計不正巡り監視委がニデックに資料提出命令
会計不正の調査を先行
証券取引等監視委員会がニデックに対し、金融商品取引法に基づく資料提出命令を出したことが12日分かった。行政処分を視野に同法違反の有無を調べ、悪質と判断すれば刑事告発も検討する。
関係先証拠を収集
今回の会計不正は、品質不正の発覚にもつながったニデック問題の起点とされる。監視委は課徴金納付命令を見据えた調査に移行しており、調査前に違反を報告した場合に減額を申請できる制度に基づき、会社側も既に違反行為を自主申告したもようだ。
関係者によると、監視委は第三者委員会が集めた証拠を入手するため、会社側に資料提出や報告を命じた。金商法26条に基づく手続きで、行政処分に向けた開示検査に位置づけられる。提出を拒んだり、虚偽の報告をしたりすれば刑事罰の対象となる。
異例の先行手続き
会計不正の調査は通常、立ち入り検査から始まる。監視委OBは「立ち入り前に資料提出を命じるのは極めて異例だ。一般には、虚偽記載が見つかった年度の決算訂正を公表した後に、まず立ち入り検査に着手する」と指摘する。
ニデックは会計不正の影響で、2026年3月期決算や過年度訂正の公表が遅れている。監視委は決算の確定を待てば行政処分の時期が見通せなくなると判断し、立ち入り検査より決算作業への影響が小さい手続きを先行させたとみられる。ニデックは12日、取材に対し「お答えする立場にない」とコメントした。
調査は長期化の公算
第三者委が認定した不正行為は、本社や子会社の複数拠点に及ぶ。監視委の調査には相応の時間がかかる見通しだ。悪質性が高いと認めれば、刑事告発を前提とした犯則調査に切り替える。担当者への聞き取りも進め、経営陣の関与についても慎重に調べる。
金商法は、公正な市場を守るため上場企業の開示資料への虚偽記載を禁じている。有価証券報告書の虚偽記載が認定されれば、監視委は該当期間や当時の株式時価総額などを基に課徴金額を算出し、金融庁に納付命令を勧告する。
ニデックの第三者委は4月までに公表した調査報告書で、長年にわたる費用の繰り延べや減損、評価損の計上回避を認定した。会計不正による純利益へのマイナス影響は25年4〜6月期までの累計で1607億円に達し、年度別では25年3月期が最大の957億円だった。公表済み純利益の6割に相当する。
第三者委は、創業者の永守重信氏を中心とした「営業利益目標の達成に向けた強すぎるプレッシャー」が不正の背景にあったと分析した。指示や主導の事実は確認できなかった一方、「最も責めを負うべきなのは永守氏」との見解を示した。他の経営幹部についても、一部の会計不正を認識または黙認していた可能性があると指摘している。
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