スペースX上場控え米株反発、巨大IPOの需給影響に注目
需給逼迫と短期調整
4日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が反発した。ウォール街では、米スペースXの新規株式公開(IPO)が12日にも迫るなか、巨大IPOが相場に与える需給面の影響が意識されている。
調達額は約12兆円、時価総額は約283兆円に達する見通しで、前例のない規模となる。市場では「サイホン効果」「酸欠作用」「資金の吸い上げ」といった表現まで飛び交い、大型IPOが市場全体から資金を吸収し、短期的に株価を押し下げる可能性が警戒されている。
テクノロジー企業の大型上場では、投資家が既存株を売却して新規公開株に振り向ける動きや、需給の偏りで特定セクターの変動率が高まる傾向がある。メタ(旧フェイスブック)や中国アリババ集団の上場時にも、競合銘柄が短期的に売られ、その後しばらく関連セクターの調整が続いた。
中長期では再投資の余地
主要株価指数がスペースXを段階的に組み入れる局面では、インデックスファンドを中心に既存構成銘柄の売却が出やすくなる。2012年のメタ上場時と比べると、現在は人工知能(AI)関連のテクノロジー株が相場を主導しており、1社のIPOでも市場全体への波及は大きいとの見方がある。
一方で、長期的には市場の活性化要因になるとの見方もある。ベンチャーキャピタルは投資資金を回収でき、従業員も大きなリターンを得る。ジョージタウン大学のリーナ・アガルワル教授は、内部関係者や初期投資家が株式を売却し、その資金が再び市場に向かう可能性を指摘する。上場直後はロックアップ期間のため売却が制限され、影響は時間差で表れる見通しだ。
上場後の資金調達にも影響
ピッチブックのカイル・スタンフォード氏は、規模の大きさから当面は市場の注目がスペースXに集まり、知名度の低い企業ほど資金調達が難しくなる可能性があるとみる。スペースXに続いて米アンソロピックと米オープンAIもIPOを控えており、両社は上場時期の遅れが資金調達に響きかねないことを意識して、情報開示を前倒ししているようにもみえる。
IPOXのジョゼフ・シュスター氏は、巨大IPOが個別銘柄の変動率を高め、市場全体に波及する可能性はあるものの、株式市場がこれほど巨額の株式供給を経験した例は少ないと指摘する。一方、シティ・ウェルスのJ.P.コビエロ氏は、売り出し株数が少ないため指数組み入れに伴う銘柄調整だけでは市場全体を左右しにくいと述べた。長期的には、収益化の道筋や利益の持続可能性といったファンダメンタルズが決定的な要因になるとの見方を示した。
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