ウィンドウズ搭載PC向けにエヌビディア新AI半導体
GTC台北で新製品披露
エヌビディアは1日、人工知能(AI)パソコン向けの新型半導体を発表した。米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を搭載するパソコンに採用される。ノートパソコンでも高性能なAI処理が可能になる。
台湾で開かれている技術イベント「GTC台北」で、AIパソコン向け半導体「NVIDIA RTX Spark」を公開した。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は「エヌビディアが築き上げた全てを単一のスーパーチップに集約した」と述べた。
新型チップは、同社の画像処理半導体(GPU)「ブラックウェル」とCPU「グレース」を接続した構成で、英アームの回路技術を使い、台湾の聯発科技(メディアテック)と協力して設計した。現在のAIサービスの多くはクラウド上で動いており、利用時は計算結果を端末側が受け取る形が一般的だが、今回の製品では処理を端末側で担える。
端末側でAI処理を高速化
この半導体を搭載したノートパソコンでは、動画生成などの処理をより速く実行できるようになる。生成AIの性能指標となるパラメーター数では、1200億までのLLM(大規模言語モデル)を動かせるという。最先端のAIモデルは兆単位のパラメーターを持つとされ、全てをパソコン単体で動かすことはできないものの、より高度なAI操作への対応が期待される。
米アドビはデザインソフト「フォトショップ」などをエヌビディアの半導体向けに再設計しており、AI処理と描画処理は2倍速くなるとしている。ファン氏は「AI時代において40年ぶりにPCを再発明する。新しいパーソナルコンピューティング革命の幕開けだ」と強調した。
2026年秋に販売へ
この半導体を搭載したノート型パソコンや小型デスクトップ型パソコンは、2026年秋から販売が始まる見通し。米デル・テクノロジーズや米HPなどが発売する予定だ。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは「ウィンドウズを通じて全ての家庭とデスクに際限のない知能を提供する。新製品はその実現に向けた真のブレークスルーになる」とコメントした。
エヌビディアは2010年代前半にも、アームの基礎技術を使ったタブレット向けなどの製品を投入したが、定着しなかった。10年以上を経て、改めてパソコン向け半導体に挑む。
従来、パソコン向け半導体はインテルや米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が支配的だった。両社の半導体設計の基礎技術が、ウィンドウズ搭載パソコンの事実上の標準となってきたためだ。ただ、スマートフォン向けで世界的なシェアを持つアームの回路技術がパソコン向けでも使いやすくなり、構図は徐々に変化した。各社はAI処理に適した半導体の開発を進めており、2024年にマイクロソフトがPC向けAI機能を発表した際は、自社ブランド「サーフェス」に米クアルコムの半導体を採用している。
ファン氏は1日、次世代サーバー「ベラ・ルービン」の量産を始めたことも明らかにした。サーバー向けで競争力を高める一方、消費者が使うパソコン端末でもAIの基盤を押さえにいく姿勢を鮮明にした。
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