シャングリラ会合でヘグセス氏、中国抑止と同盟負担を訴え
ヘグセス米国防長官は29日(シンガポール時間30日)、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で演説し、インド太平洋地域で「中国を含むいかなる国家も覇権を強要できない」と述べた。トランプ政権の対アジア安全保障政策を説明しつつ、同盟国に責任分担を求めた。
対中抑止と安定維持
ヘグセス氏は、米国が目指すのは「真に安定した均衡」であり、米国と同盟国を脅かさない有利かつ持続可能な勢力均衡だと説明した。現状維持が保たれる限り、中国と対立せず、安定した関係を築けるとの考えも示した。
5月14〜15日に北京で開いた米中首脳会談については、両首脳が「米中は戦略的安定をもたらす建設的な関係を築くべきであることに合意した」と振り返った。今回は対中で強い表現を控えた一方、沖縄など日本の南西諸島と台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」を防衛ラインと明言し、「西太平洋において侵略を不可能にし、戦争を非合理なものとする強力な拒否防衛体制を構築し、維持する」と語った。
軍間対話と同盟国への要求
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は26年に最大4回の首脳会談開催を検討している。こうした首脳間の対話路線を踏まえ、ヘグセス氏は国防当局者間でも対話を維持し、関係を安定させるよう中国側に呼びかけた。「軍と軍の間のコミュニケーションの窓口を常に開いておくことで、衝突を回避し、誤算のリスクを減らすことができる」と訴えた。
シャングリラ会合は各国の国防相が主に出席するが、中国の董軍国防相は2年連続で欠席した。ヘグセス氏が25年1月に国防長官に就任して以降、米中の国防相会談は正式には実現していない。
同氏は日本を含むアジアの同盟国に向けては、「我々が求めるのは、依存ではなく、責任分担に基づく同盟関係だ」と述べた。集団防衛に自ら進んで責任を果たさない同盟国には「対応を明確に変化させる」と警告した。日本については「防衛改革を加速させるための具体的な措置を講じている」と評価し、「目標には届いていないが、その勢いは正しい方向に向かっている」と語った。
米国は世界の同盟国・パートナーに対し、国防費を国内総生産(GDP)比で5%(現行基準で3.5%)まで引き上げるよう求めている。トランプ政権が25年末と26年1月に公表した国家安全保障戦略(NSS)と国家防衛戦略(NDS)でも、インド太平洋地域での中国の侵略抑止と西半球防衛を最優先事項に掲げた。
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