トランプ関税の還付申請、1カ月で850億ドル超に進展
CBPが公表した進捗
4月に還付手続きが始まったトランプ関税を巡り、米税関・国境取締局(CBP)は、この1カ月で受理した還付申請の総額が利息を含め850億ドル(13兆5千億円)超に達したと明らかにした。CBPが26日に米国際貿易裁判所へ提出した報告書で分かった。
米政府は4月20日に還付申請の受け付けを開始した。政府によると、還付総額は利息を除いて1660億ドル(26兆円)で、1カ月でほぼ半分の還付が認められた計算になる。850億ドルのうち206億ドルは、財務省から輸入事業者への送金段階に入っている。
集中した大手と専用システム
手続きが短期間で進んだ背景には、二つの要因がある。ひとつは、連邦最高裁の違憲判断を受けてCBPが1カ月半で立ち上げた専用システム「CAPE」の存在だ。輸入事業者は還付を求める取引一覧をCSVファイルでアップロードするだけでよく、あとはシステムが自動で還付額を算出する。現時点では、システムはおおむね順調に稼働しているという。
もうひとつは、還付の受け取り先が大手企業に偏っているとみられることだ。対象となる輸入事業者は全体で33万社あるが、CBPによると、そのうち大手を中心とする5.6万社で金額ベースの8割超を占める。
米ゼネラル・モーターズ(GM)、米フォード・モーター、ステランティスのビッグ3は、還付見込み額を利益計上し始めた。米CNBCによると、米小売大手ウォルマートや米アップルも還付を受ける意向を示している。
拒否と保留の案件も
一方で、手続きには課題も残る。申請受理が急増する一方、システム上で拒否される案件も相当数に上っている。
CBPによると、22日時点で348万件の輸入取引に関する還付申請がシステムで拒否された。トランプ関税の支払額が確定してから時間がたち過ぎていたケースや、書類の記載ミスが主因という。
還付の支払いが決まった後も、電子送金の手続きが未了だったために財務省が保留したケースは4000件を超えた。
33万社の対象企業の大半は、税関手続きに不慣れな中小の輸入事業者とみられる。円滑な還付を進めるには、米政府が民間の業界団体などと連携し、支援体制を整えられるかが焦点となる。
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