北京で習氏とプーチン氏が会談、対米けん制と資源協議
中国の習近平国家主席は20日、北京でロシアのプーチン大統領と会談する。トランプ米大統領の訪中から5日後の首脳会談で、大国としての存在感を示す狙いがある。
拡大する随行団
プーチン氏は19日夜に北京入りし、中国の王毅共産党政治局員兼外相が空港で出迎えた。ロシア大統領府によると、同行団は約40人。マントゥロフ氏ら副首相5人のほか、ラブロフ外相、レシェトニコフ経済発展相ら閣僚8人、ウシャコフ大統領補佐官(外交担当)、ロシア中央銀行のナビウリナ総裁が含まれる。
企業側では、ロスネフチのセチンCEO、国営ガスプロムのミレルCEOらエネルギー分野の幹部が中心となった。国営原子力企業ロスアトムや宇宙企業ロスコスモスの首脳も同行している。
焦点はエネルギー
首脳会談の少人数会合には、ロシア側から副首相や一部閣僚、主要企業の代表が参加する。続く拡大会合にはロシア側39人が同席する見通しだ。
1週間以内に米ロ首脳が相次いで北京を訪れる異例の日程となる。習氏はプーチン氏に対し、14〜15日に行ったトランプ氏との会談内容を説明するとみられる。
中ロは共同宣言と共同声明を発表し、約40件の2国間文書に署名する予定だ。中でも焦点はエネルギー協力の進展で、ロシアからモンゴル経由で中国へガスを送る新パイプライン「シベリアの力2」の建設協議が注目される。工期は約10年とされる。
中国はエネルギー安全保障の観点から、化石燃料の調達先を特定の国に偏らせない方針を取ってきた。これに対し、欧州向け輸出が細るロシアは中国との協力を急いでいる。足元では、中国が価格交渉で優位に立つ構図も続く。
対米対抗の結束確認
ウクライナ侵略以降、ロシア経済の対中依存は一段と深まった。侵略後、ロシアから欧州連合(EU)への化石燃料輸出は急減し、EUはロシア産石油のタンカー輸送を禁じ、液化天然ガス(LNG)を含む天然ガスの調達も段階的に止める方針を決めている。
一方、中国はロシア産化石燃料の購入を続けている。ロシア大統領府によると、1〜3月のロシアから中国への原油輸出は前年同期比35%増えた。
今回の会談では、ロシアからモンゴル経由で中国までガスを運ぶ「シベリアの力2」のほか、ホルムズ海峡の緊張や原油市場の動向も話題となる可能性がある。中国は同海峡経由の中東産原油をほとんど買えない状況にあり、ロシアにとっては対中輸出拡大の機会となる。
米国による制裁の一時緩和もロシアを下支えする。ベッセント米財務長官は18日、各国によるロシア産原油の購入容認を30日間延長すると表明した。イラン情勢に伴う原油高の圧力を和らげる目的で、米国は3月、4月と1カ月ごとに同様の措置を打ち出してきた。
台湾問題やイラン情勢、ウクライナ侵略も議題になる見通しだ。プーチン氏は中国による台湾統一を支持する立場を示してきた。台湾を支えるトランプ米政権をにらみ、中ロの結束を改めて確認する場となる公算が大きい。さらに、上海協力機構(SCO)やBRICSといった枠組みを通じ、米国に対抗する勢力づくりを議論する可能性もある。
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