グーグル、個人向けAIエージェントを拡充 検索や予約を代行
個人向け機能を本格展開
米グーグルは19日、検索やメール、予約などの作業を人工知能(AI)が常時代替できる機能を始めると発表した。利用者30億人超のサービス群を持つ強みを生かし、法人向けで広がる「AIエージェント」を個人にも広げる。
同日、米カリフォルニア州の本社で開いた開発者向け年次技術イベント「グーグルI/O(アイオー)」で、複数のエージェント機能を含む新サービスを公表した。スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は基調講演で、「エージェントの力を安全に消費者にも届け、誰もが利用できるようにすることに注力する」と述べた。
スパークで複雑作業を代行
個人向けの新機能「Gemini Spark(ジェミニ・スパーク)」は、対話型AI「Gemini(ジェミニ)」などで利用できる。メール、カレンダー、文書作成といった複数のアプリをまたぐ作業でも、AIが意図をくみ取り、必要な情報を集めて処理を進める。音声指示にも対応する。
例えば、子どもの学校から届いたメールから重要な予定や提出期限を抜き出して配偶者と毎日共有したり、パーティーの出欠連絡を確認して持ち物の一覧を作り、回答を促すメールの下書きを作成したりできるという。
指示を受けたエージェントはクラウド上で動くため、就寝中などパソコンやスマートフォンの電源が切れていても稼働し続ける。グーグル以外のサービスや、同社のブラウザー「クローム」との連携も予定しており、ウェブページを横断する作業も代行できる。
来週から有料会員へ提供
スパークは来週から、月額100ドル(約1万5900円)以上の米国の有料会員向けに提供する。グーグルは対象を広げる方針も示し、「将来は無料会員を含む全ユーザーにも機能を開放する」としている。
検索では「常時検索」と呼ぶエージェント機能を今夏に開始する。条件に合う物件の空き室や、お気に入りのスポーツ選手のグッズなどを指定すると、AIが定期的に検索を繰り返し、該当情報が出た時点で通知する仕組みだ。
米国では電子商取引(EC)向けのエージェント機能も始める。商品を「カート」に入れると、複数サイトの価格履歴や在庫状況を集めて比較を続けることができ、別々のECサイトの商品をまとめて決済することも可能になる。
モデル更新も継続
AIモデルでは、高品質な動画生成・編集に特化した「Gemini Omni(オムニ)」を発表した。現実世界の物理法則を理解し、よりリアルな映像を作れるとしており、有料ユーザー向けに提供する。
また、約3カ月ぶりの最新基幹モデルとなる「Gemini 3.5 Flash(フラッシュ)」も公開した。コーディングやエージェント機能の評価スコアで従来の高機能モデルを上回り、出力時間は他社製に比べて4分の1で済むという。Geminiなどで全利用者に提供するほか、検索やエージェントなど自社サービスにも搭載する。
AI開発では、オープンAI、アンソロピック、グーグルの3社が主導権争いを続けている。アンソロピックが4月に発表した非公開の「Mythos(ミュトス)」が注目を集めた一方、今回の発表ではグーグルから最高性能に匹敵するAIは示されなかった。19日の米株式市場で、親会社アルファベットの株価は前日終値比2%下落した。
この記事が役に立ったら、ぜひシェアしてください。