北海道新幹線の軌道敷設工事で公取委、建設9社を検査
公取委、9社と機構関係先を検査
北海道新幹線の軌道敷設工事を巡る入札談合の疑いが強まったとして、公正取引委員会は19日、建設会社9社の関係先を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。関係者への取材で分かった。
発注元の独立行政法人、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)の関係先も対象となった。公取委は、機構職員が談合に関与した可能性があるとみて調べる。
受注先を事前調整か
関係者によると、検査対象は東鉄工業、名工建設、北海道軌道施設工業(札幌市)、仙建工業(仙台市)、ユニオン建設(東京・目黒)、大鉄工業(大阪市)、広成建設(広島市)、三軌建設(福岡市)、九鉄工業(北九州市)の9社。いずれもJR各社と資本関係がある。
9社は機構が2023〜25年に公告した軌道敷設工事の一般競争入札で、受注業者を事前に決め、競争を実質的に制限した疑いが持たれている。うち5社は、延伸10工区のうち入札が実施された5工区を落札した。機構の公表資料によると、落札額は税抜きで計約180億円、落札率は94〜99%だった。
各社は「検査に入ったのは事実。全面的に協力する」などとコメントした。
総工費は3兆円超の見通し
北海道新幹線は全国新幹線鉄道整備法に基づき国主導で整備する「整備新幹線」の一つ。機構が施設を建設・保有し、運行主体のJR北海道に貸し付ける方式で進む。建設費の一部はJR北海道が支払う施設貸付料で賄い、残りを国と地元自治体が2対1で負担する。
2016年3月に新青森駅(青森市)から新函館北斗駅(北海道北斗市)まで先行開業した。札幌延伸の総工費は当初、約1兆6700億円と見積もられていた。
しかし、資材費や人件費の上昇、難工事による工期延長などで建設費は増加。機構が2025年12月に公表した想定では、総工費は3兆円を超える見通しとなっている。
機構は2003年設立で、日本鉄道建設公団などを前身とする。政府が全額出資しており、官製談合防止法の適用対象だ。同法は職員らが談合を指示したり、発注に関わる秘密情報を漏らしたりする行為を「入札談合等関与行為」と定める。こうした行為が認められた場合、公取委は改善措置を求めることができる。
整備新幹線事業で談合の疑いが表面化したのは2例目。北陸新幹線の融雪設備工事を巡る談合事件では、公取委が犯則調査権に基づいて強制調査し、2014年に業者側を刑事告発した。機構職員による予定価格の漏えいも判明し、公取委は改善措置を求めた。職員は官製談合防止法違反罪で在宅起訴され、有罪が確定した。
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