ネクステラがドミニオンを670億ドルで買収へ合意
ネクステラ・エナジーは18日、同業ドミニオン・エナジーを約670億ドル(約10兆円)で買収することで合意したと発表した。人工知能(AI)の普及で電力需要が急増するなか、合併で大型投資に備える。
買収は株式交換で実施し、当局の審査を経て1年半以内の完了を見込む。
電力業界で史上最大級
2026年の上場企業による買収案件では、2月に発表された米メディア大手パラマウント・スカイダンスによる米ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの1100億ドルに次ぐ規模となる。ロイター通信などによると、電力業界では史上最大の買収案件という。
両社の資料によると、ネクステラの企業価値は3090億ドル、ドミニオンは1110億ドル。合併後の企業価値は4200億ドルとなり、米電力・エネルギー業界では石油大手エクソンモービル(7090億ドル)、シェブロン(4250億ドル)に迫る規模になる。
電力会社としては2位のデューク・エナジー(1880億ドル)を大きく上回る巨大企業が生まれる。
AI需要で投資拡大
足元では、AI普及に伴うテック大手の投資を背景に、データセンター向けの電力需要が急増している。両社によると、米国の電力需要は2020年までの15年間で計10%の増加にとどまっていたが、2020〜35年はその6倍のペースで伸びる見通しだ。
両社は規模拡大で大型投資に備える。合併後の年間設備投資額は590億ドルに膨らむ。
ネクステラのジョン・ケッチャム最高経営責任者(CEO)は「効率的な運営で、消費者に手ごろな電力を提供する」と述べた。
両社の発電設備は、出力ベースでネクステラが80ギガワット、ドミニオンが30ギガワット。1ギガワットは大型原子力発電所1基に相当する。合併後は2032年までに、現在の2倍超となる225〜260ギガワットへの拡大を計画する。
投資規模は30倍に拡大
両社は、データセンター需要の拡大で発電施設への投資が巨額化していると説明した。過去10年の主流だった再生可能エネルギーや蓄電施設の建設案件と比べると、1件あたりの投資規模は30倍の150億ドルに達するという。
ネクステラは、日本の5500億ドルの対米投資の一環として、米東部ペンシルベニア州と南部テキサス州に10ギガワット級のガス火力発電所を建設する見通しだ。投資規模はそれぞれ最大170億ドル、160億ドルになる。
送配電や発電などの地域向け電力事業では、ネクステラは米南部フロリダ州を本拠地とし、ドミニオンはバージニア、ノースカロライナ、サウスカロライナの3州を地盤とする。合併により、事業領域は計4州に広がる。
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