米中、貿易促進枠組み設置で合意 ボーイング200機購入
貿易協議の枠組み
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は15日、2日間の会談を終えた。米中は2国間の貿易・投資を促す協議枠組みを設けることで一致したもようで、経済面では関係が安定していることを強調した。
両首脳は14〜15日にかけて、中国の人民大会堂と、中国共産党の最高指導部が執務する中南海で会談した。トランプ氏の訪中は9年ぶりで、15日には大統領専用機エアフォースワンで帰国の途に就いた。
トランプ氏は15日、中南海で習氏と協議した後、「素晴らしい訪問だった。多くの良い成果が得られたと思う。両国にとって本当に素晴らしい貿易取引をいくつか結んだ」と述べた。イラン情勢を巡っても、事実上封鎖されたホルムズ海峡の開放に向け連携する方針を確認した。
非競争分野で輸出拡大
米通商代表部(USTR)のグリア代表によると、米中は今後、2国間貿易を促進するための「貿易委員会」を設置する。米中で貿易量を増やすべき分野を選び、具体策を協議する。米ブルームバーグ通信に語った。
2025年のトランプ関税発動後、米中間の貿易は3割縮小した。米国側は航空機や農産品、エネルギーなど、米中競争への影響が小さい分野で対中輸出を増やしたい考えで、委員会で実務協議を進める。
このほか、どの産業分野で相互投資できるかを見極める「投資委員会」も検討する。
具体的な合意内容について、トランプ氏は中国が米ボーイングの航空機200機の購入を約束したと米FOXニュースに明かした。グリア氏によれば、中国は今後3年間、年数百億ドルの米国産農産物を購入するという。
大豆などの対中輸出拡大は、11月の米中間選挙で農業州の支持を得るうえで重要な論点となる。中国は2025年の米中首脳会談で、米国産大豆を26〜28年に少なくとも年2500万トン購入すると約束している。今回の合意が追加購入か、既存合意の確認かは明らかでない。
中国は大豆やトウモロコシなどを米国から多く輸入してきたが、対米貿易摩擦の激化後は南米などからの調達を増やした。
積み残しの火種
貿易戦争の休戦延長などは「積み残し」になったとみられる。両首脳は25年10月の会談で、1年間にわたり高関税の応酬を止めることで合意した。今秋以降の「休戦期限」への対応は、今回の首脳会談では明らかにならなかった。
米国は、違憲かつ無効となった相互関税・フェンタニル関税に代え、中国を含む各国・地域に10%の追加関税を現在課している。トランプ政権は7月下旬にも新たな制裁関税を発動する見通しだが、グリア氏は中国への税率には言及を避けた。
中国は新たな関税を警戒し、対抗措置の可能性も示唆している。内需が伸び悩むなか、好調な外需が景気を下支えしており、米中が再び高関税を応酬する事態は避けたい事情がある。
半導体規制は議題外
米エヌビディア製半導体の対中輸出についても、合意の有無は明らかでない。最先端品ではない「H200」について、トランプ政権は一定の制約のもと対中輸出を認めているが、中国側は受け入れていない。
同社のジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)も訪中に同行し、注目された。グリア氏によると、首脳会談で半導体の輸出規制は議題にならなかったという。
トランプ氏は今回の訪中で、習氏に9月24日にワシントンを訪れるよう提案した。米政府は今回の訪中を含め、2026年に米中首脳が会う機会が多ければ4回あるとみている。
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