トランプ氏・習氏が北京で首脳会談 貿易と台湾問題に注目
貿易交渉と台湾問題が焦点
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は14日、北京で9年ぶりに首脳会談を開いた。貿易問題を中心に、台湾やイラン情勢も議題に上る見通しで、通商交渉の成果を急ぐトランプ氏が台湾問題で譲歩を迫るかが注目されている。
習氏は会談冒頭、「中米それぞれの成功は互いにとっての機会であり、中米関係の安定は世界にとってプラスだ」と述べたうえで、「双方が協力すれば互いに利益を生み、対立すれば双方が傷つく」と語った。トランプ氏は「歴代の両国首脳の中で最も長い付き合いをしてきた」と応じ、「あなたは偉大な指導者だ」と習氏を称賛した。
米中関係の再調整
両首脳は14日午前に歓迎式典と会談を行った。午後には明・清の皇帝が祭祀に用いた天壇公園をともに訪れ、夜には晩餐会に出席する。15日午前には「お茶」と「ワーキングランチ」が予定されている。
トランプ氏は11月の米中間選挙を前に、通商交渉の成果を打ち出す思惑を持つ。米国産大豆やボーイング機の購入拡大を含む合意を目指しており、ホワイトハウスによると、貿易と投資の拡大に向けた貿易委員会と投資委員会の設立も協議する。中国国営の新華社通信によると、習氏は13日の閣僚級協議について「均衡のとれた前向きな成果に達した」と評価した。
台湾と武器売却の行方
今回の会談では、台湾への武器売却も議題となる。トランプ氏は11日、記者団に「習氏は我々に売らないでほしいと考えているようだ。私は話し合うつもりだ」と述べた。米国の台湾政策の基盤である「6つの保証」では、武器売却を中国と事前協議しないと定めており、米側が協議を公表するのは異例だ。
第2次トランプ政権は25年12月、過去最大規模となる総額111億ドルの武器売却を決定した。バイデン前政権の売却額は4年間で約84億ドルにとどまった。ロイター通信は3月、トランプ政権がさらに140億ドル規模の武器売却を承認する可能性があると報じた。トランプ氏が習氏に配慮し、売却時期を遅らせるとの見方もある。
米国は中国本土と台湾が不可分だとする中国の立場には異を唱えない一方、台湾の安全保障に関与する「一つの中国」政策を維持してきた。現状維持を重視し、「双方からのいかなる一方的な現状変更にも反対し、台湾の独立を支持しない」としている。会談で中国側がこの表現を「独立に反対する」に改めるよう求めるとの見方もあるが、多くの米専門家は、仮に応じても政策の大転換には当たらないとみている。ただ、米国が通商合意の見返りに台湾を差し出したとの懸念が強まるのは避けられない。
会談は当初3月末に予定されていたが、米側の事情で延期された。2月28日に米国によるイラン攻撃が始まったためで、トランプ政権は訪中前の戦闘終結を目指していたものの実現していない。トランプ氏は記者団に、戦闘終結に「(中国の)助けは一切必要ない」と語ったが、イラン問題で習氏に協力を求める可能性は残る。
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