トランプ氏、イランの回答を非難 停戦協議の行方は不透明
トランプ米大統領は11日、戦闘終結に向けた米提案へのイランの回答を「愚かだ」と切り捨て、停戦の先行きは「極めて脆弱だ」と警告した。イランが核兵器を持たないと約束する取り決めを拒んだとして、不満を示した。
イラン回答を強く批判
ホワイトハウスで記者団に述べた。イランの回答については「ごみのようなものだ。最後まで読むことさえできなかった」とも語り、停戦は「生命維持装置につながれている状態だ」と表現した。
米国は戦闘終結の条件の一つとして、イランが核兵器を追求しないと確約するよう求めてきた。米メディアによると、イラン側は戦闘終結後の30日間協議で核問題を話し合う考えを示した一方、核施設の解体には反対したという。
トランプ氏は「4日も待たされたが、彼らは10分もあればできる単純なことをすべきだった」と述べ、核兵器を持たないことに同意すべきだったと主張した。「彼らは我々の提案に同意しておきながら、撤回した」とも語った。
破壊されたイランの核施設に埋まる高濃縮ウランの回収についても、イラン側が一度は同意していたと主張した。イランは自力で核物質を取り出せず、米国に搬出を求めていたと説明した。
核問題で溝深く
米国は戦闘終結に向け、核やホルムズ海峡をめぐる大枠合意のための覚書をイランに提示していた。トランプ氏は6日、イランと「合意に至る可能性が十分ある」と述べ、交渉進展への期待を示していた。
ただ、トランプ政権には14〜15日に予定する米中首脳会談の前にイランとの戦闘終結に道筋をつけたい思惑があった。トランプ氏がイランの核問題を自ら解決したと強調し、中国に対して優位を示す構図は、難しくなりつつある。
イラン側も米国の意向を織り込んで対応しているとみられる。ペゼシュキアン大統領は10日、SNSで「目的はイラン国民の権利を回復し、国益を守ることだ」と投稿し、米側の要求に屈しない姿勢を示した。
イランメディアは11日、イラン原子力庁高官の話として「核技術は交渉の議題ではなく、ウラン濃縮は交渉の余地がない」と報じた。核施設や資産を守る準備が進んでいるとし、原子力産業の必要性を訴えた。
イラン外務省のバガイ報道官も同日、イランの提案は戦闘終結、ホルムズ海峡の安全確保、凍結資産の解除に焦点を当てた合理的な内容だと説明した。
軍事的緊張なお継続
交渉が行き詰まる中、ホルムズ海峡の緊張を和らげる糸口は見えていない。
米ニュースサイトのアクシオスは11日、トランプ氏が軍事行動の再開を含め、政権の国家安全保障チームと協議する予定だと報じた。トランプ氏が訪中から帰国する前に軍事行動を命じることはないとの米当局者の見方も伝えた。
米軍がホルムズ海峡で民間船舶の通航を支援する措置の再開も検討しているという。トランプ氏はFOXニュースの電話取材でも検討中と認めたが、最終決定はしていないと述べた。
4日に支援措置の開始を表明した際には、海峡近くで米軍艦艇や商船の接近が重なり、イランとの緊張が高まった。軍事行動の応酬につながりやすい状況が生まれている。
8日には米軍が、イランの港湾に入ろうとしたイラン船籍の石油タンカー2隻を攻撃した。米艦艇が攻撃を受け、イランの軍事拠点に反撃したとも発表した。イラン側は米軍の攻撃を停戦合意違反だと訴えた。
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