モディ首相、原油高を受け在宅勤務の活用と海外旅行自粛を呼びかけ
モディ首相、在宅勤務再開など呼びかけ
【1】燃料節約と外貨流出抑制狙う
インドのモディ首相は10日、原油高が続く中で国民に在宅勤務の再開や今後1年間の海外旅行自粛を求めた。中東紛争の長期化をにらみ、燃料の節約と外貨準備の確保を促す狙いがあるとみられる。
首相は同日、南部ハイデラバードで演説し、紛争の影響で「サプライチェーン(供給網)の混乱が続く限り、対策を講じても困難は増すばかりだ。私たちはガソリンとディーゼルの使用量を減らさなければならない」と述べた。
インドは原油と液化天然ガス(LNG)の輸入の約5割を中東に依存する。政府は家計に直結するガソリンや軽油の値上がりを抑えてきた一方、企業向けでは調理用の液化石油ガス(LPG)などの引き上げが目立っている。
モディ氏は新型コロナウイルス禍で広がった在宅勤務に触れ、「在宅勤務やオンライン会議などを再び優先させる必要がある」と強調した。
【2】金購入自粛や農家への転換促す
燃料高が長引けば経済への打撃が大きくなるうえ、ドル建ての輸入額増加で外貨が流出し、経常収支の悪化につながる。モディ氏は海外旅行の自粛に加え、金(ゴールド)の購入も1年間控えるよう要請した。インドは世界有数の金輸入国で、宗教儀式や結婚式でも需要が根強い。
さらに農家に対しては、輸入依存度が高い化学肥料の使用を減らし、自然農法への移行を促した。
原油高はルピー安にも拍車をかけており、5日には対ドルで史上最安値を更新した。外国人投資家は株式や債券市場から資金を引き揚げている。首相の発言には、こうした動きに一定の歯止めをかけたい思惑もにじむ。
野党は、国民生活に緊縮を求める姿勢について「政府が国民に負担を押しつけている」などと批判を強めている。
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