イラン、米提案への回答をパキスタン経由で送付 トランプ氏は拒否
イラン、米提案への回答を送付
イラン国営通信(IRNA)は10日、イランが戦闘終結に向けた米国の提案に対する回答を、仲介国パキスタンに送ったと報じた。トランプ米大統領は同日、回答を読んだとしたうえで、SNSで「全く受け入れられない」と批判した。
トランプ氏は投稿で「イランのいわゆる『代表』からの回答を読んだ。気に入らない」と不満を示した。別の投稿では「イランは先延ばしを繰り返すことで米国と世界をもてあそんできた。あざ笑えるのはもうおしまいだ」と記した。
交渉は膠着
IRNAによると、イラン側の回答は現時点で戦闘の終結に焦点を当てた。一方、イラン国営英語放送プレスTVは10日、米国の提案をトランプ氏の過剰な要求に対する降伏だとして拒否したと伝えた。代わりに、ホルムズ海峡におけるイランの完全な主権、制裁解除、凍結資産の返還を主張したという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは関係者の話として、イランの核問題を巡る内容は米国の要求と隔たりが大きかったと報じた。ペゼシュキアン大統領は同日、SNSで「対話や交渉について話が出たとしても、降伏や後退を意味するものではない。目的はイラン国民の権利を回復し、国家の利益を守ることだ」と投稿した。
米国・イスラエルとイランの軍事衝突は2月末に始まった。米国側はイランの核兵器保有阻止を掲げ、空爆で当時の最高指導者アリ・ハメネイ師を殺害した。イランはホルムズ海峡を実効支配し、同海峡の物流が滞った。
4月7日に一時停戦で合意し、戦闘終結に向けた交渉を進めていたが、イランの核開発を巡る双方の立場の隔たりは埋まらず、協議は膠着した。その後、米国がまず戦闘終結の枠組みで合意する案を示し、イラン側が検討していた。
仲介国を通じた水面下のやり取りが続くなか、米CNNテレビは8日、イランの現最高指導者モジタバ・ハメネイ師が戦略策定で重要な役割を果たしていると報じた。体制内での権限は明らかでないが、対米交渉に関する内部議論を支えている可能性が高いという。
国内ではモジタバ師の動静を伝える報道も増えている。イラン軍高官が10日までにモジタバ師と面会し、米国の敵対行為に対抗する準備が整っていると報告したと伝えられた。ペゼシュキアン大統領も最近、モジタバ師と会談し、2時間半にわたり率直な対話を交わしたとされる。モジタバ師は米国の攻撃で負傷し、詳しい健康状態は明らかになっていない。最高指導者を継いだ後も、公の場には姿を見せていない。
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