任天堂、国内スイッチ2を5万9980円に値上げ 海外も引き上げ
価格改定の概要
任天堂は8日、家庭用ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ・ツー)」の国内販売価格を5万9980円へ引き上げると発表した。現在より1万円高い。値上げは25日から実施する。半導体メモリーを含む主要部材の調達価格が上昇していることを踏まえた。
海外販売と業績見通し
海外では9月1日から値上げする。米国では50ドル引き上げて499.99ドル、欧州では30ユーロ引き上げて499.99ユーロとする。旧モデルの「Nintendo Switch」も国内で約1万円値上げする。古川俊太郎社長はオンライン記者会見で、部材高や為替環境の変化を背景に、グローバルでの事業性を勘案して価格改定を決めたと説明した。
採算悪化と販売計画
値上げの背景には、映像処理などを担う高性能メモリー「DRAM」の急騰がある。DRAMはスマートフォン向けなどで使われてきたが、生成AIの普及を受けて23年ごろからAI向けサーバー需要が急増し、品薄と高値が続いている。ソニーグループも4月に「プレイステーション5」の国内標準モデルの希望小売価格を9万7980円へ1万8000円引き上げた。
任天堂が8日発表した27年3月期の連結純利益見通しは前期比27%減の3100億円。営業利益はスイッチ2の値上げや高採算ソフトの販売増を背景に3%増の3700億円を見込む一方、前期にあった為替差益や持分法投資利益を織り込んでおらず、経常利益と純利益は減少する。売上高は11%減の2兆500億円を計画し、スイッチ2の販売台数は1650万台と前期比17%減を想定する。
従来機は発売2年目に販売が伸びる傾向があったが、古川社長はスイッチ2について「初年度にブーストがかかっていた。発売2年目のハードの水準としては決して低いとは考えておらず、普及自体は順調に推移している」と述べた。メモリー高騰による採算悪化懸念で、任天堂株はここ2年の最低水準で推移していた。減益見通しを受け、私設取引システム(PTS)では8日午後5時ごろに7196円と、終値から471円下落した。
東洋リサーチアドバイスの安田秀樹シニアアナリストは、今期については追加値上げの必要性は乏しいとの見方を示し、コスト増を理由とする株価下落も一巡しやすいとの認識を示した。収益改善には本体価格に加え、ソフトの拡充が欠かせない。27年3月期のスイッチ2向けソフト販売本数は前期比23%増の6000万本を見込む。3月発売の「ぽこ あ ポケモン」は好調で、6月から7月にかけては「スターフォックス」や「リズム天国」など人気シリーズの新作投入も控える。任天堂は動画配信「ニンテンドーダイレクト」で新作を発表することが多く、次回の内容が業績や株価の手がかりとなりそうだ。
この記事が役に立ったら、ぜひシェアしてください。