FXにおけるグランビルの法則|基礎から実践まで解説
FXには様々な投資手法がありますが、その中の一つにグランビルの法則が挙げられます。
グランビルの法則という言葉を目にしたことはあるけれど、どのような投資手法なのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
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FXグランビルの法則の基礎知識: 理論のメカニズムと基本的な考え方
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具体的な投資手法: エントリーに活用できる8つの売買サイン
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「最強」の設定値: 200日移動平均線と時間足の正しい組み合わせ
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実践時の注意点: 失敗を避けるために知っておくべき鉄則
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機能しない時の対応策: トレードがうまくいかない原因と改善のヒント
FXグランビルの法則について、興味がある方は参考になさってください。
FXグランビルの法則とは?基本概念と考え方を解説
グランビルの法則とは、米国の有力なチャート分析家ジョセフ・E・グランビル氏によって考案された、「ローソク足(価格)」と「移動平均線」の位置関係から売買タイミングを判断する手法です。
トレンドの発生や転換点を視覚的に捉えやすく、FX初心者から中上級者まで幅広く活用されています。
チャート例から理解する|FXグランビルの法則の基本
「法則」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずは実際のFXチャートで視覚的なイメージを掴んでみましょう。
以下のドル/円チャートをご覧ください。
赤線で示したのがグランビルの法則であり、最高値を中心として左側が上昇トレンド、右側が下降トレンドです。
グランビルの法則は一般的に2回高値を更新した後、天井となります。
このとき高値の更新とともに、安値も切り上がっていくのが特徴的です。
価格が天井を付けた後、安値が2回切り下がり下降トレンドとなります。
上昇トレンド・下降トレンド時の高値および安値の更新回数は、市況ごとに変化するため注意しなければなりません。
実際、上記のFXチャートでは上昇トレンド時に一度安値が切り下がるものの、リバウンドし上昇トレンドを維持しているのが確認できます。
FXグランビルの法則のメカニズムと相場心理
それでは、FX取引においてなぜこれらのパターンで価格が動くのか、そのメカニズムを深掘りしていきましょう。
グランビルの法則を理解するうえで最も重要なのは、移動平均線そのものではなく、そこに集まるFX市場の投資家の心理です。
多くのFXトレーダーが移動平均線を意識することで、「買われやすい価格帯」「売られやすいポイント」が自然と形成されます。
理解しやすいようにFXチャートを以下のように簡略化し、上昇トレンドと下降トレンドで切り分けて解説していきます。 赤色の点線で囲った①から③が上昇トレンド、青色の点線の④および⑤が下降トレンドです。
FX上昇トレンド時の値動き
①:一度目の天井
FXチャートは上昇し、一度目の高値を更新した後、FX市場では売り圧力が増し価格が下落します。
チャートが下がったことにより、利確する投資家が現れ、価格の下落は止まりません。
しかしある程度、FX相場では価格が下がったところでチャートは再び上昇しはじめます。
これは押し目買いをはじめとした、買い圧力が売り圧力を勝ったことによるためです。
②:①と同じ現象が再び発生する
FXチャートは上昇局面から下落局面へと移行するも、前回の高値を更新していることもあり、下落幅は限定的です。
また200日移動平均線が上昇していることも、下落幅が少ないことの要因となっています。
移動平均線が上向きであると、上昇トレンドが継続中であると考える投資家がおり、買い圧力が強い市況は続いていきます。
③:二度の高値を更新した後、チャートは天井を迎える
三度目の高値を更新した後はこれまでのトレンドとは反転し、FX相場で買い圧力よりも売り圧力が増していきます。
移動平均線は上昇基調から平坦なものへと、その勢いが衰えるのが特徴的です。
①もしくは②でFX相場へエントリーした投資家は、上昇局面にて一定の利益を得ていることから、利確し手仕舞っていきます。
利確により価格は下がり続け、上昇トレンドへ乗り遅れた後発者も、価格の下落に耐えきれず損切りをし、売りを生む本格的な下落トレンドへ移行します。
FX下降トレンドの時の値動き
④:直近の安値を下回り、チャートはリバウンドする
押し目買しようと考えていた一定数の投資家がエントリーし、FXチャートはリバウンドします。
しかし上昇トレンド後期に相場へ参加し、前述の③のタイミングで手仕舞えず、取り残された投資家による売り圧力等が要因となり、チャートの上昇幅は限られたものとなるでしょう。
⑤:価格の下落は止まらず
FX相場が下落トレンドへ移行後、直近の高値を更新できず、200日移動平均線も下がり続けます。
買いエントリーする投資家は限定的となり、今後は下落局面での売りエントリーが本格化していきます。
FXグランビルの法則に使う最強の移動平均線とローソク足
FXグランビルの法則を活用する時は、200日移動平均線と日足を使用するのが一般的です。なぜ他の数字ではなく「200」なのか、そしてなぜ「日足」で見る必要があるのか、その理由は大きく分けて3つあります。
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1.
提唱者が推奨した「公式設定」だから
法則の生みの親であるジョセフ・E・グランビル氏が、理論を公表した際に「200日」を基準としていました。 いわば公式ルールのようなものであり、現在も最も信頼できる基本値として守られています。 -
2.
世界中の投資家が意識する「共通の物差し」だから
FXには「多くの人が意識するポイントほど価格が反応しやすい」という性質があります。 200日線は世界中のプロ投資家がチェックする長期トレンドの境界線であるため、注文が集中しやすく、法則通りの動きが起こりやすい土壌となっています。 -
3.
「約1年間の平均価格」という実用的な区切りだから
土日や休暇を除いた1年間の取引日は約200日ほどであり、この数値は「過去1年間の相場の勢い」を測るのに非常にキリが良く、実用的にも使い勝手が良い数字だったのです。
FXグランビルの法則を最強の形で活用するには、、「日足チャート × 200日移動平均線」の組み合わせを基本として覚えておきましょう。 例えば、5分足チャートで設定を「200」にしても、それは「過去200『分』の平均」になってしまい、グランビルが提唱した本来の意味(長期トレンドの把握)を成しません。
FXで実践!グランビルの法則を活用したトレード手法
FX投資でグランビルの法則を活用する際のポイントは、移動平均線とロウソク足の位置関係です。
つづいて買いパターンと売りパターンにわけて、8つのエントリータイミングを紹介していきます。
エントリータイミングだけでなく、損切りポイントも確認し、FX取引を行いましょう。
買いパターン|4つのエントリータイミング
FXグランビルの法則を使った買いエントリータイミングは、ロウソク足の終値が200日移動平均線を超えたタイミングです。
損切りは直近の安値を割った価格に設定しておきます。
直近の安値を割るということは、下降トレンドへの移行を警戒しなければなりません。
具体的な4つの買いエントリータイミングは、以下の通りとなっています。
【FXグランビルの法則を活用した買いエントリー】
①や②のタイミングで買いエントリーできれば、継続的な利益が期待できるでしょう。
200日移動平均線は上向きであり、前述の通り上昇トレンドが継続していることが重要なポイントです。
③は上昇トレンドの終了間近、④はトレンドが下がり始めているため、積極的な買いエントリーは控えましょう。
こまかく利益を積み上げていく投資スタイルであれば、エントリーするのも選択肢の一つです。
リバウンド狙いで200日移動平均線を超えていないにもかかわらず、買いエントリーするのは、筆者はおすすめしません。
具体的には上図の赤点で示したタイミングです。
理由としてグランビルの法則が確認できたとしても、以下の図のように上昇トレンドが継続するかどうかは不確定となっています。
原則的に価格は投資家の需給によって成立しており、なおかつ市場には数多くのトレーダーが参加しているため、超短期的な価格の推移は不規則なものとなります。
直近のチャートを予想するのは不可能であるということを、頭の片隅に置いてFX投資を行いましょう。
売りパターン|4つのエントリータイミング
買いパターンに続き、ここからはFXグランビルの法則を使った売りエントリータイミングを確認していきましょう。
買いタイミングと同じく、200日移動平均線の終値を基準に売りエントリーします。
損切りポイントは直近の高値です。
直近の高値を超えると上昇トレンドへと反転するおそれがあり、必ず損切りポイントを設定しておきます。
具体的な4つの売りエントリータイミングは、以下の通りとなっています。
【FXグランビルの法則を活用した売りエントリー】
原則的に①'・③'を除く、①~④のタイミングで売りエントリーを仕掛けます。
いずれもチャートの下落が始まったタイミングです。
①もしくは②では上昇トレンド下にあり、価格は安値を切り上げて下げ止まるため、利益は限定的となるでしょう。
一方、③・④は天井を超えて下落トレンドへ移行しており、トレンドに乗れれば利益の拡大が期待できます。
前述の①'・③'は価格が移動平均線を下回ったタイミングです。
チャートが移動平均線を下回るということは、下落基調が顕著であることを示しており、後述するダマしに対応できます。
しかし天井付近でエントリーするよりも売値が低下し、比較的に利益の幅が狭くなるかもしれません。
FXでグランビルの法則を使う際に押さえておきたいポイント
FXグランビルの法則を活用するときに、注意しなければならないことは複数存在します。
それぞれの注意点について確認していきましょう。
ダマしに注意する
ダマしとは上昇・下落トレンドへの移行が見られた直後、チャートがそれとは真逆の動きをすることです。
グランビルの法則下に置いても、ダマしが発生する可能性があります。
以下がグランビルの法則下でダマしが発生した一例です。
【ダマしが発生したときのFXチャート例】
グランビルの法則に従い、点線のようにFXチャートが動くと予想し、上図のタイミングで買いエントリーしたとします。
しかしダマしによって価格は下がり、損切り設定していないケースでは、予期せぬ投資結果となるかもしれません。
ダマしのメカニズムや発生タイミングを特定するのは、事実上不可能となっています。
ダマしが発生するかもしれないと念頭に置き、損切り設定を忘れずに行うなどの対策が求められるのです。
他の指標と併用する
グランビルの法則に限らず、FXトレードする際には複数の指標を使用することをおすすめします。
複数の指標を併用することによって、FX取引の根拠が強まるためです。
FXで用いられるテクニカル指標は、MACD(マックディー)やRSIなどが挙げられます。
グランビルの法則で使用される移動平均線も、テクニカル指標の一つです。
移動平均線やMACDはトレンド分析と呼ばれ、市場の方向性を分析する際に使われるのが特徴的となっています。
RSIはオシレーター分析と呼ばれ、活用場面は現在のトレンドの振れ幅を確認するときです。
移動平均線が折れ線グラフで判断するように、MACD・RSIなどのテクニカル指標はインジケーターを用いて、取引の判断基準とします。
インジケーターの取り扱いはテクニカル分析によって異なるため、自分の投資スタイルに適した指標を取捨選択しましょう。
為替に影響を及ぼす経済指標や会合のときは活用を控える
FX取引において、為替に影響を及ぼす経済指標や会合の前後は、グランビルの法則は機能しません。
当該法則の仕組みで紹介したように、グランビルの法則は過去の値動きによって、トレード分析を行います。
相場が急変動するときには過去の値動きが反映される前に、チャートが動いてしまうのです。
為替に影響を及ぼす代表的なアメリカの経済指標は、雇用統計・失業率などです。
一方、日本は全国消費者物価指数・四半期実質国内総生産(GDP)などとなっています。
さらに為替が変動する要因となる会合である、アメリカの米連邦公開市場委員会(FOMC)や日本の日銀金融政策決定会合に注意しなければなりません。
これらの指標の発表や会合がいつ行われるか、事前に確認することを強くおすすめします。
FXでグランビルの法則がうまくいかない時の対処法
FXの取引でグランビルの法則を効果的に活用できないときはエントリーのタイミング、もしくは損切り設定のいずれかが適切でない可能性があります。 そもそも移動平均線とロウソク足の関係が、グランビルの法則に当てはまってないケースで、FX取引を行っているかもしれません。 移動平均線とロウソク足は適切か、エントリーや損切りポイントは理にかなっているかなどを都度確認しましょう。
テクニカル的な要因だけでなく精神的な影響も、グランビルの法則がうまくいかない原因となります。 人は損失が拡大すると感情的になり、合理的な判断を鈍らせます。 グランビルの法則を効果的に活用できないときは投資から離れ、他のことを行うのも選択肢の一つです。 FX投資から距離を置くことによって頭の中がリセットされ、感情をフラットな状態に戻せるかもしれません。
グランビルの法則に限らず、トレードがうまくいかない時は、必ず原因分析を行いましょう。 「何が問題だったのか」を冷静に切り分けて整理することが、投資手法の改善、ひいては安定した成果へとつながります。
まとめ:グランビルの法則を活かしてFX取引しよう
FXグランビルの法則とは何か、そのメカニズムや法則を用いた投資手法について解説してきました。
グランビルの法則は有効な投資手法の一つですが、同法則にこだわりすぎると利益を得る機会を逃す可能性があります。
これは、急激に価格が変動する相場では、グランビルの法則が十分に機能しないためです。
FXに限らず、投資の本質は利益を生み出すことです。
本質を見失ってしまい、グランビルの法則をはじめとした投資手法に注力しすぎると、思わぬ投資結果を生み出してしまうかもしれません。
複数のテクニカル指標を駆使し、日々のFX投資を行っていきましょう。
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