FXのドローダウンとは?計算方法からリスク管理まで徹底解説
FXで資産を減らさないために、リスク管理について学びたい方は多いでしょう。
しかし、ドローダウンと聞いて「よくわからない」「聞いたことがない」という方は注意が必要です。
ドローダウンは資産のリスク管理に重要な概念で、意味や対処法を理解せずにFX取引を続けると資金を失う可能性が高まります。
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FXで知っておきたいドローダウンの基礎知識
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FXにおけるドローダウンの許容範囲
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ドローダウンに応じた実践的なFXリスク管理術
この記事を読めば、資産を失うリスクをおさえて長期的に安定して利益を出せるようになるため、ぜひ最後までご覧ください。
FXでドローダウンとは?知っておくべき基本知識
FX初心者の方には、ドローダウンについてよく理解できていない方も多いでしょう。
本章では、FXドローダウンの基本的な内容を以下の3つで解説します。
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ドローダウンの定義と計算方法
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ドローダウンと含み損の違い
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FXで使われる3種類のドローダウン
それぞれの観点を詳しく説明します。
FXドローダウンの定義と計算方法
ドローダウンとは、FXの取引において最大資産額から資産がどれだけ減少したかを示す指標であり、「%」で表示され下落率ともいわれます。 FXにおいて資金管理はとても重要で、なかでもドローダウンは大きな損失を防ぐために把握しなければなりません。
ドローダウンの計算方法は以下のとおりです。
| ドローダウンの計算式 |
|---|
| ドローダウン(%) = (損失額 ÷ 最大資産額) × 100 |
たとえば、自己資金を100万円から始めて120万円まで資産が増えたとします。
そこから60万円まで資産を減らした場合の計算式は、「60万円÷120万円×100=50%」でドローダウンは50%になります。
ドローダウンの数値が大きいほど資金回復が難しくなり、口座破綻のリスクが高まってトレードの継続が困難になるため注意が必要です。
FXにおけるドローダウンと含み損の違い
ドローダウンが確定した損失に基づく指標であるのに対し、 含み損はポジションを保有している状態で未確定の損失を指します。 たとえば、ドル円を買ったあとに価格が下落してもポジションを決済しなければドローダウンはゼロのままですが、含み損は価格の動向とともに増減します。 ポジションを決済しなければ、その損失がドローダウンとして記録されないことを覚えておきましょう。
ドローダウンと含み損の違いを理解することは、FXのリスク管理においてとても大切です。 経験を積んだトレーダーは、あらかじめ決めた損切りラインで速やかに決済し、ドローダウンを小さく抑えます。 なぜなら、大きな含み損を持ち続けると精神的なプレッシャーで冷静な判断ができなくなるため、とり返しのつかない損失をだす恐れがあるからです。
FXでよく使われる3種類のドローダウン
FXトレードにおいて、リスク管理のために以下の3種類のドローダウンが使われます。
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最大ドローダウン
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相対ドローダウン
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絶対ドローダウン
最大ドローダウンは、ある期間において資産が最大でどれだけの金額を失ったかを示す指標です。 トレード戦略の潜在的リスクを可視化し、値が大きいほど資金管理に問題があることを示唆します。 多くのプロトレーダーは最大ドローダウンを20〜30%以内に抑えることでリスクをコントロールし、資産を長期的に守っています
つぎに、相対ドローダウンは、資産のピークから現在までの最大下落率を示す指標です。 資産規模の違いを超えて比較できる点が強みで、10万円の口座でも1000万円の口座でも同じ基準で評価できます。 たとえば、200万円から100万円への50%の下落と、400万円から200万円への50%の下落は、金額は異なっても同じ相対ドローダウン50%として扱われます。
最後に、絶対ドローダウンは運用開始時の初期投資額から、どれだけ資産が減少したかを金額で示す指標です。 投資の元本を、どれだけ維持できているか把握するために使われます。
FXでドローダウンの許容範囲
ドローダウンの基本的な内容は理解できたものの、実際どのように活用すればいいのかわからない方も多いでしょう。
本章では、FXでドローダウンをどう活用するかを、以下の観点から解説します。
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許容ドローダウン率
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資金量別ドローダウンの目安
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ドローダウンからの回復に必要な利益率
それぞれの内容を、順番に見ていきましょう。
FXでの許容ドローダウン率
初心者は、許容できるドローダウン率として最大ドローダウンを20%以下に抑えることを目標としましょう。 なぜなら、20%以下なら精神的・資金的にも回復が可能だからです。ドローダウン率が30%を超えると、精神的なプレッシャーが急激に高まり、冷静な判断ができなくなるリスクが増大します。 また、40%を超えると元本回復に必要な利益率が67%と非常に高くなり、資金を取り戻すのが困難となります。
経験を積んだトレーダーは、自身で決めた許容ドローダウン率を必ず守ります。自身の許容範囲を守ることで感情に左右されない判断ができ、大きな損失を防ぐための資金管理を徹底しているのです。
FXの資金量別ドローダウンの目安
資金量によって、適切な最大ドローダウン率の目安は変わります。
FXトレードでは一般的な目安は以下の通りです。
| 資金量 | 最大ドローダウン率 |
|---|---|
| ~50万円 | 15%以下 |
| 50万円~100万円 | 20%以下 |
| 100万円~500万円 | 25%以下 |
| 500万円~ | 30%以下 |
資金量が少ないトレーダーほど保守的なリスク管理が必要です。
たとえば、50万円の資金では最大ドローダウン率15%で、7.5万円の損失が許容限度となります。
少額の資金で大きな損失を出すと、とり返すのが困難になるとともに「この資金しかない」という焦りから冷静な判断ができません。
FXでのドローダウンからの回復に必要な利益率
多くのトレーダーが見落としがちなのが、ドローダウンから回復することの難しさです。
以下の表を見ればわかりますが、FXで損失が大きくなるほど回復に必要な利益率は急上昇します。
| ドローダウン | 元本回復に必要な利益率 |
|---|---|
| 10% | 11.1% |
| 20% | 25% |
| 30% | 42.9% |
| 40% | 66.7% |
| 50% | 100% |
たとえば、100万円から始めて50%の損失(50万円まで減少)が発生した場合、元の100万円に戻すには残った50万円で100%の利益を出す必要があります。
これはかなり困難な目標です。
この現実を理解することで、ドローダウンを小さく抑えることの重要性が実感できるでしょう。
FXで利益を出し続けるためには、「取り戻すより失わないこと」を優先する心構えが必要です。
FXでドローダウンを抑えるためのリスク管理術
では、実際にドローダウンを最小限に抑え、安定したトレード成績を出すためにはどうしたらいいのでしょうか。
本章では、ドローダウンを抑えるためのFXリスク管理術を以下で紹介します。
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損切りラインの設定
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リスクリワード比率の設定
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複数通貨ペアへの分散化
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ポジションサイズの管理
それぞれやり方を順番に見ていきましょう。
損切りラインの設定
FXで損切りラインの設定は、ドローダウンを小さく抑えるための最も有効な手法です。
まず、チャート上の重要なポイント(支持線や抵抗線、最近の高値・安値など)を参考に損切り位置を決めましょう。
必ず注文と同時に損切り位置を設定し、後から「もう少し待とう」と変更してはいけません。
この基本ルールを守らないと、小さな損失が雪だるま式にふくらみ、取り返しがつかなくなります。
リスクリワード比率の設定
リスクリワード比率は、トレードで「負けた時にいくら損するか」と「勝った時にいくら得るか」の関係を表す数字です。
FX取引では、良いトレードの目安として、損失の2倍以上の利益を見込むことがポイントです。たとえば、1万円の損失を覚悟するなら利益は最低でも2万円以上を目標にします。
トレードを始める前に必ずこの比率を計算し、「損失1に対して利益2」の関係にならないチャンスは見送るのが賢明です。この考え方の良いところは、たとえ50%の確率でしか勝てなくても、長い目で見れば利益が出ることです。
実際、成功しているトレーダーは「勝率」よりも「リスクリワード比率」を大切にしています。
複数通貨ペアへの分散化
一つの通貨ペアだけでトレードするのは「卵を一つのカゴに盛る」ようなもので、急落すると大きな損失になりかねません。リスクを減らすには、複数の通貨ペアに分散してトレードすることが効果的です。
それにはまず、反対の動きをする通貨の組み合わせを選びましょう。
たとえば、ユーロ/ドルが上がる時にドル/円が下がるなら、両方を持つことでリスクが減少します。
次に、取引時間帯が異なる通貨の組み合わせも検討しましょう。
欧州市場で動く通貨とアジア市場で動く通貨を組み合わせれば、24時間の変動にバランスよく対応できます。
FX初心者は、2〜3種類の通貨ペアから分散投資を始めるのがおすすめです。
ポジションサイズの管理
ポジションサイズ(取引量)の管理は、FXで損失を抑える最も大切な手法の一つです。
まず、「1%ルール」を守りましょう。
「1%ルール」とは、「1回の取引で資金の1〜2%しか危険にさらさない」という鉄則で、100万円の口座なら最大でも1〜2万円の損失に制限するイメージです。
次に、相場の荒れ具合に合わせてポジションサイズを調整しましょう。
市場が荒れている時(大きなニュースの発表時など)は取引量を半分程度に減らし、穏やかな時は通常の量で取引します。
そして、取引量は「失っても良い金額」から逆算しましょう。
たとえば、2万円の損失を限度とし10円の値動きで損切りする場合、「2万円÷10円」で2000通貨(2ロット)と計算できます。
大きすぎる取引量は一度の負けで大ダメージになりますが、小さすぎると利益も少なくモチベーションが下がります。自分に合ったポジションサイズのバランスを、見つけることが大切です。
FXでドローダウンを活用しトレードを継続しよう
FXトレードで勝ち続けることはできません。しかし、以下のようにドローダウンを活用し適切なリスク管理をすることで、長期的な成功へとつなげられます。
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許容ドローダウン率は20%以下
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注文と同時に損切りラインを設定
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リスクリワード率の設定
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複数通貨ペアに分散投資
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適切なポジション管理
成功するFXトレードの秘訣は、「いかに大きく稼ぐか」ではなく「いかに損失を小さく抑えるか」にあります。 トレードは短距離走ではなくマラソンです。持続可能なペースで、一歩一歩着実に前進していきましょう。
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