ビットコイン半減期とは?仕組み・価格影響・投資戦略まで解説

ビットコインは半減期後に価格が上がると聞いたものの、「本当に価格が上がるの」「その仕組みが分からない」と思っている方は多いはずです。 実際、ビットコインは新しい技術が用いられているため仕組みがわかりにくく、価格への影響も相場環境に左右されるため絶対上がるとは言い切れません。

本記事では、半減期の仕組みから価格への影響、半減期をふまえた投資戦略について初心者にもわかりやすく解説します。 この記事を読めば、ビットコインの半減期の仕組みが理解でき、過去の半減期でどう価格に影響したのかを知ることができます。
自身の投資戦略への判断材料になるため、ぜひ最後までご覧ください。

目次

ビットコイン半減期とは?仕組みと重要性を解説

ビットコインの半減期を聞いたことはあるものの、どのような仕組みでなぜ行われるかわからない方も多いでしょう。 本章では、ビットコイン半減期についての基本的な概要を、以下の3つの観点で解説します。

  • 半減期の基本的な仕組み

  • 半減期が設定されている理由

  • 半減期のスケジュール

これらの内容を知ることでビットコイン半減期の仕組みが理解でき、半減期の重要性を学ぶことが可能です。
それぞれの観点について、以下で順番に見ていきましょう。

ビットコイン半減期の基本的な仕組み

ビットコインの基盤となるブロックチェーン技術の仕組み図解

ビットコイン半減期を理解するには、ビットコインの核であるブロックチェーン技術を把握する必要があります。

まず、ブロックチェーン技術では取引データ(トランザクション)を10分ごとにブロックに格納し、10分前のブロックに繋げる作業を行います。
次に、ブロックを繋げるにはハッシュ関数という複雑な計算を解いて、取引データ(トランザクション)が正しいことを承認しなければなりません。
そして、最初にハッシュ関数を解いた人がブロックを繋げる権利を獲得し、新規発行されるビットコインを報酬として得られるのです。

このことが金の採掘に似ていることからマイニングといわれ、マイニングをする人をマイナーと呼びます。

ビットコイン半減期は、約4年ごとに行われるイベントです。具体的には、10分おきに生成されるブロックが21万個になると、マイナーへ報酬として支払われるビットコインが半分に減ります。

ビットコインに半減期が設定されている理由

ビットコインの創始者である「サトシ ナカモト」は、ビットコインをデジタルゴールドとして設計しました。 実際の金は、埋蔵量の有限性から生まれる希少価値で価格が上がるため、ビットコインにも同様の希少性をもたせるように設計された仕組みが半減期です。
これにより、一気に全てのビットコインが市場に出回ることを防ぎ、価値が長期的に保たれるようになっています。 お金の価値は希少性と深く関係しているため、発行量を徐々に減らすことで希少性を高め、インフレを防止する効果があるのです。

ビットコイン半減期のスケジュール

ビットコインの半減期は21万ブロックごとに発生するため、およそ4年に一度のペースで訪れます。
これまでの半減期の結果は、以下の通りです。

半減期 開催年 マイニング報酬
第1回 2012年11月28日 50BTC→25BTC
第2回 2016年7月9日 25BTC→12.5BTC
第3回 2020年5月11日 12.5BTC→6.25BTC
第4回 2024年4月20日 6.25BTC→3.125BTC
第5回 2028年予定 3.125BTC→1.5625BTC

このようにビットコイン半減期は4年ごとに開催され、総発行枚数の2100万枚に到達する2140年まで続く設計になっています。

ビットコイン半減期の振り返りと価格変動の分析

では実際、過去の半減期において価格はどう変動したのでしょうか。
本章では、過去3回の半減期に加え昨年行われた第4回後の価格変動も、以下でくわしく紹介します。
それぞれの半減期を、実際のチャートと共に見ていきましょう。

第1回半減期(2012年)|市場反応と価格影響

2012年から2013年のビットコイン価格推移

2012年11月28日に実施された第1回半減期において、ビットコインの価格は約12ドルでした。
しかし、市場は半減期から徐々に反応を示し、約1年後の2013年11月には価格が約1,100ドルまで急騰します。
これは、半減期前と比較して約90倍の上昇です。
急騰の要因としては、中国市場での取引拡大や違法マーケットプレイスであるシルクロードの閉鎖による市場正常化などが挙げられます。
ただし、半減期による供給量減少の効果も無視できません。

第2回半減期(2016年)|市場成熟と価格パターン

2016年から2017年のビットコイン価格推移

2016年7月9日の第2回半減期では、ビットコインの価格は約650ドルで市場が成熟し流動性も向上していました。
半減期当日において、若干の価格上昇が見られたものの大きな価格変動はありません。
しかし、半減期から約1年半後の2017年12月には約20,000ドルという当時の史上最高値まで急騰します。
これは、半減期前と比較して約30倍の上昇です。
この時期は、多くの仮想通貨が新規発行されるバブルと重なり仮想通貨市場全体が活況を呈していました。

第3回半減期(2020年)|コロナ禍での半減期と価格動向

2020年から2021年のビットコイン価格推移

2020年5月11日の第3回半減期は、新型コロナウイルスのパンデミックによる世界的な経済混乱の中で行われ、ビットコインの価格は約8,800ドルでした。
半減期直後の価格反応は比較的おさえられていましたが、2020年の後半から徐々に上昇し2021年に入ると上昇ペースが加速します。
しかし、2021年5月に中国のマイニング規制の発表で50%以上急落しました。
その後、徐々に復調し2021年11月には約69,000ドルまで急騰し史上最高値を記録します。
これは半減期前と比較して約7.8倍の上昇です。
この時期には機関投資家の参入が目立ち、インフレヘッジとしての需要も高まり始めました。

第4回半減期(2024年)|ETFの承認と価格推移

2024年から2025年のビットコイン価格推移

2024年4月20日の第4回半減期は、米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを承認した直後という、これまでにない状況下で行われました。
半減期時点でのビットコインの価格は、約64,000ドルです。
ETF承認後は大量の資金流入が見られ、2024年の1月から3月にかけて約100億ドル以上の資金がビットコイン関連ETFに流入したと報告されています。
半減期から9ヶ月後、ビットコインの価格は109,000ドルまで上昇しました。
一時的に30%ほどの調整局面を経験しましたが徐々に回復し、2025年5月現在では約102,000ドル前後で推移しています。

半減期後の価格変動パターンとデータ分析

過去4回の半減期を分析すると、いくつかの共通するパターンが見られました。
まず、半減期直後に急激な価格上昇が起こるわけではなく、半減期から1年〜1年半後に大きな上昇相場が訪れる傾向があります。
また、価格上昇の倍率は回を追うごとに縮小し、投機的な側面が見られなくなりました。これは市場の成熟度や時価総額の拡大に伴い、同じ倍率で上昇することが困難になっているためと考えられます。

第4回半減期後も同様のパターンが続くと仮定すると、数ヶ月以内に3〜5倍程度の上昇も期待されるでしょう。
しかし、相場に絶対はなく経済状況や各国の規制動向、相場の過熱感など複合的に情報を集めトレードの判断材料にすることが大切です。

ビットコイン半減期を見据えた投資戦略

半減期後の価格変動パターンは把握できたものの、具体的にどのような投資戦略をとればよいか悩む方も多いでしょう。 本章では、ビットコイン半減期をふまえた投資戦略を、以下で4つ紹介します。

  • 長期保有戦略とその根拠

  • ドルコスト平均法を活用した分散投資

  • 利益確定とストップロスの設定

  • 他の仮想通貨(アルトコイン)との関連性

これらの戦略を知ることで自身にあった投資スタイルを確立でき、リスクをおさえたトレード手法をとることが可能です。

それぞれの内容を、順番に見ていきましょう。

長期保有戦略とその根拠

ビットコインの長期保有は、短期的な価格変動に惑わされず長期的な価値上昇に期待する投資手法です。
この戦略の根拠はビットコインの希少性が半減期ごとに高まり、発行上限に近づくにつれて価値が上昇するという考えにあります。過去のデータを見ると、どのタイミングでビットコインを購入した場合でも、4年以上保有した投資家のほとんどがプラスのリターンを得ています。
長期保有戦略では投資可能な余剰資金のみを使用し、短期的な価格変動に一喜一憂しない長期的な視点を維持することが大切です。

ドルコスト平均法を活用した分散投資

ドルコスト平均法は、一定額を定期的に投資することで価格変動リスクを分散させる投資手法です。
たとえば、毎月1万円をビットコインに投資すると価格が高いときは少ない量を、価格が安いときは多い量を購入することになります。この戦略のメリットは、売買タイミングを計る必要がなく、感情的な判断を排除でき価格の下落時もチャンスとして活用できることです。
半減期前後の価格変動が予測困難な状況において、ドルコスト平均法は感情に流されず継続的に投資を行うための有効な戦略といえます。

利益確定と損切りの設定

ビットコイン投資においては、適切なリスク管理が欠かせません。
利益確定戦略としては、価格上昇に応じて保有量の一部を売却する段階的な利益確定や、目標価格の設定・ポートフォリオの調整などが考えられます。
また、下落リスクに備えた損切り戦略としては、金額ベースの損切り・テクニカル指標を活用した売却判断・定期的な投資状況の見直しなどが挙げられます。
どのようなリスク管理戦略を選択するにせよ、事前に明確な基準を設定し感情ではなく自身のルールに基づいた判断が重要です。

他の仮想通貨(アルトコイン)との関連性

ビットコインの半減期は、アルトコイン市場にも影響を与えます。
過去の半減期後には、ビットコインの上昇相場に続いてアルトコイン市場も活況を呈する「アルトシーズン」が観察されました。戦略として、半減期前後はビットコインの保有を優先し、ビットコインの大きな上昇相場が一段落した後にアルトコインへ一部資金を振り分ける方法が効果的です。
また、ビットコインとの関連性が低いアルトコインを選定して、リスク分散を図る方法も有効でしょう。
ただし、アルトコインはビットコインよりも価格変動の幅が大きく、プロジェクトの失敗リスクもあるためリスク許容度に応じた慎重な資産配分が重要です。

ビットコイン半減期のよくある疑問とその回答

Q1. ビットコイン半減期後、価格は必ず上がるのか?
A1.
半減期後にビットコインの価格が必ず上がるとは断言できません。
過去4回の半減期後には価格上昇が観察されましたが、半減期と価格上昇の因果関係は証明されていません。半減期による供給量の減少は確実に起こる事象ですが、価格を決定するのは需要と供給のバランスです。 経済環境・規制動向・技術革新・市場心理など、様々な要素が価格形成に影響します。
半減期だけを根拠に投資判断を行うのではなく、総合的な視点から市場環境を分析することが重要です。
Q2. ビットコイン半減期前と後、どちらが買い時か?
A2.
買い時は個人の投資目的、リスク許容度、投資期間によって異なるため、一概に半減期前と後のどちらが適しているとは言えません。
過去のデータを見ると、半減期前の数カ月間は徐々に価格が上昇する傾向があり、半減期直後は一時的な調整があることもあります。
長期投資家であれば、半減期の前後を問わずドルコスト平均法などで継続的に投資することが賢明です。値上がりを期待する投資家であれば、半減期の数ヶ月前から徐々に投資を始め、半減期後の調整局面でも購入を継続する戦略が考えられます。
いずれにせよ、自身の状況に最適な戦略を選択し、感情に左右されない投資判断を心がけることが重要です。
Q3. 2140年以降のマイニングインセンティブはどうなるのか?
A3.
2140年頃には最後のビットコインが採掘され、新規発行が完全に停止します。
この時点以降、マイナーの収入源は取引手数料のみです。
現状では、マイナーの収入は新規発行分と取引手数料から成り立っていますが、半減期を重ねるごとに新規発行分の割合は減少していきます。
2140年以降のビットコインのネットワーク維持には、取引手数料の増加・マイニング技術の効率化・コンセンサスメカニズムの変更などのシナリオが考えられるでしょう。
しかし、この先100年以上の予測には不確実性が伴います。
Q4. 半減期は他の仮想通貨にも存在するのか?
A4.
ビットコイン以外の仮想通貨にも半減期のような機能を採用しているものが多数存在します。
ライトコイン(LTC)・ビットコインキャッシュ(BCH)・モナコイン(MONA)などがその例です。
一方、イーサリアム(ETH)・リップル(XRP)・ソラナ(SOL)など、半減期を採用していない仮想通貨もあります。
半減期の有無は、それぞれの仮想通貨の経済モデルや利用目的に合わせて設計されています。
投資を検討する際は、各仮想通貨の発行方針や価格設計を理解することが重要です。

ビットコイン半減期を投資に活かすポイント

ビットコイン半減期は、仮想通貨市場において重要な4年に一度のイベントであり、投資判断の一つの指標となります。
半減期を投資に活かすためには、以下の3つのポイントが重要です。

  • 長期的視点の維持

  • リスク分散

  • 感情に左右されない投資判断

具体的な投資戦略として、長期保有やドルコスト平均法の活用、ポートフォリオでビットコインを適切に配分しリスクを分散することが挙げられます。また、経済環境・規制動向・技術革新などの情報はビットコインの価格に影響するため、継続的に収集して投資判断に役立てましょう。
初心者が忘れてはならないのは、短期的な価格変動はプロでも予測が困難であり、投機ではなく投資としての姿勢を持つことです。

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